プロボウリング界で議論を呼んできたウレタンボール問題に対し、PBAは新たに「78ルール」を導入した。このルールは、製造段階からボールの硬度を78以上に設定するようメーカーに求めるもので、試合中に「柔らかすぎる」と判定される事態を防ぐ狙いがある。ジェイソン・ベルモンテは8月1日、自身のFacebook公式アカウントでこの決断について「完璧ではないが以前より良い。禁止に頼らず改善を続けられる」と評価した。
従来、ウレタンボールは合法的に製造されても、大会中の検査で「硬度不足」と判断され失格となるケースがあり、選手に非がないにもかかわらず処分される状況が問題視されていた。PBAはまず、測定器の誤差を考慮して3ポイントの猶予を設けたが、それでも一部のボールは不合格となった。
そこでPBAは、より抜本的な対応として「78ルール」を制定した。ウレタンボールの硬度を従来の基準(73前後)より高めに設定することで、試合中の変化や測定誤差があっても不正とみなされないようにした。このルールはUSBCの規定変更を伴うものではないが、PBA独自の大会では違反問題がほぼ解消されたとされる。
ベルモンテは「硬度78のウレタンは従来の73とは明らかに性能が違う」としつつも、「依然として使用可能であり、より公平な条件が整った」と語る。また、PBAが短期的な対策にとどまらず、競技の未来や選手のキャリアを守るために長期的視点で改善に取り組んでいる点を強調した。
今回の「78ルール」は、単なる規制強化ではなく、選手を守りつつ競技の公平性を高めるための挑戦であることが、ベルモンテの発言から浮かび上がる。