HAMMER社、ウレタンボール規則に反発「失望しているボウラーと共に戦う」

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アメリカのボウリングブランドHAMMERは、全米ボウリング協会(USBC)が現地時間9月4日に発表したウレタンボールに関する新たな規制強化について、公式声明を公表した。メーカー側は今回の規制を「不必要で混乱を招くもの」と強く批判し、失望しているボウラーと共に戦う姿勢を示した。

声明は2025年9月5日付で「An Open Letter from Hammer Bowling to Bowlers Around the World(世界中のボウラーへの公開書簡)」として発表され、USBCの動きがボウリングの伝統や文化に大きな影響を及ぼしかねないと警鐘を鳴らしている。

声明の中で同社は、ウレタンボールが長年にわたり競技の一部として受け入れられてきた事実を強調。新基準はその歴史や文化を無視したものであると指摘した。また、ボウラーが愛用してきたボールを突然使えなくすることは、選手の努力や投資を軽視する行為だと非難し、「この規則は競技者に不利益をもたらすだけでなく、ボウリング全体の発展を妨げるものだ」と強い言葉で訴えた。

さらにブランド側は、今回の規則が発表される過程や決定の根拠についても疑問を呈している。「USBCが十分なデータや現場の声を反映させず、一方的に規制を強化した」として透明性の欠如を問題視。多くのボウラーや業界関係者が突然の発表に困惑しており、競技の公平性を守るどころか不信感を招いていると主張した。

同社はまた、今後もボウラーを支える姿勢を崩さないことを明言。「私たちは失望しているボウラーと共に立ち、彼らの権利と競技の自由を守るために戦う」と宣言し、規則に対抗する意志を鮮明にした。こうした強い発信は、世界中のコミュニティに対する連帯の呼びかけとも受け取れる。

今回の規制は、USBCが競技の公平性と安全性を目的に導入したとされるが、実際には大手メーカーやプロを巻き込んで大きな波紋を広げている。特にウレタンボールは幅広い層に支持されてきただけに、禁止が現場へ与える影響は計り知れない。HAMMERのように明確な反対姿勢を示すメーカーが現れたことで、今後の議論の行方は一層注目を集めそうだ。

USBCの新規則は2026年から施行予定であり、残された時間で各メーカー、競技団体、そしてボウラー自身がどう対応するのかが焦点となる。老舗ブランドHAMMERによる今回の声明は、単なる企業の立場表明を超え、ボウリング界全体に突きつけられた大きな問題提起といえるだろう。

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