オンラインショップでの偽物商品販売問題は、ついにボウリングの世界にも現れた。人気キャラクター「たまゆき」グッズの偽物が、複数のECサイトで出回っていることが確認されている。ファンにとっては見過ごせない深刻な事態だ。
この状況を受け、正規販売を手がける「たまゆきショップ」のオーナーが ボウリング・エージェントの取材に応じ、現状の問題や心境を語ってくれた。オーナーによれば、この件は依然として解決には至っておらず、TEMUやSHEINなどのECプラットフォームで複数の偽グッズが確認されているという。
私たちボウリング・エージェントは、実際にショップオーナーをインタビューし、その声をお届けする。
―まず今回の件を知ったきっかけから教えてください。
知り合いから突然「TEMUでグッズを販売されているんですか?」とDMをいただきました。そこで初めて、自分の知らないところでシャツが販売されていることを知りました。
―実際にTEMUを確認された時、どう思われましたか。
「ボーリングシャツ」で検索すると、私のイラストがプリントされたシャツが大量に出てきて本当に驚きました。しかも掲載されている写真は、私が委託販売をしている公式サイト「SUZURI」の画像をそのまま無断転用していたんです。
―販売状況についてはどうでしたか。
商品ページには販売枚数まで表示されていて、偽物を実際に購入している人がいることも分かりました。思わず「一体何が起きているんだ」と絶句しました。
―すぐに対応はされたのでしょうか。
もちろん、何とかしなければと思いました。ただ著作権侵害を報告するには、販売者と販売ページのURLをまとめて提出しなければなりません。しかしTEMUは通常販売ではなくタイムセール形式で、時間が来るとページが消え、URLも変わります。いたちごっこのような状態でした。私が確認しただけでも、当時17店舗ほどが出品していました。
―その後の対応で苦労されたことはありますか。
販売ページを探してURLをコピーするだけでも膨大な時間がかかり、どんどん私の時間と労力が削られていきました。勝手に販売されていること自体がストレスで、悪循環になってしまいましたね。
―著作権放棄をするつもりはないですよね。
もちろん放棄はしません。ただ、対応に費やす時間や心労を考えると「勝手に販売されていることを公開して、買う人がいなくなるなら、それでよしとするしかない」という気持ちにもなりました。
―偽造品のリスクについてはどう見ていますか。
私が販売するグッズの偽物を含め、正規品ではないものを正規品だと思って買ってしまった人が、多くのリスクにさらされる可能性があるのは、とても苦しいことです。
―ご自身のイラスト以外にも被害は広がっていますか。
はい。私の作品だけでなく、STORMやROTOGRIP、HAMMERといったボウリングメーカーの商品まで格安で出品されています。各メーカーも同じように黙認しているのかと思いましたが、本物か偽物か分からずに買ってしまう人がいる以上、なぜこうした商品が格安で流通しているのか、一度立ち止まって考えてほしいと思います。
―現在の状況を教えてください。
残念ながら、この問題はまだ解決していません。以前よりは減りましたが、今もTEMUやSHEINで販売されているのを確認しています。
正規のクリエイターの作品が無断でコピーされ、偽物として流通してしまう現状は、決してあってはならない問題だ。ファンや購入者を守るためにも、正規品を安心して購入できる環境が求められている。
本物の「たまゆきショップ」のグッズは、以下の公式サイトから購入可能だ。
https://suzuri.jp/tamayuki2021