PBAは9月15日、2025年シーズンの最高栄誉『Chris Schenkel PBA Player of the Year(年間最優秀選手賞)』の候補者を公式に発表した。
候補に選ばれるには、シーズン中に少なくとも1つのタイトルを獲得し、年間賞金ランキングでトップ10に入ることが条件となる。複数タイトルを手にした選手は自動的に候補となる仕組みで、今季も各大会で躍動した選手たちが選ばれた。シーズンを象徴するハイレベルな戦いが、そのまま年間最優秀選手の選考に直結している。
ここからは、PBA2025年間最優秀選手賞の候補に選ばれた7名を紹介する。

アンドリュー・アンダーソン
2025年、アンダーソンはキャリアを代表する年を過ごしたと言える。まず、『PBA Mike Aulby Nevada Classic』と『PBA Tour Finals』の2大会でタイトルを獲得。これらはいずれも彼にとって2018年以来のシングルス大会での勝利であり、彼の復活と成長を象徴する成果だ。特に彼はこのシーズンで、EJタケットを含む強豪を破る場面もあり、その戦いぶりに注目が集まった。
また、ポイントランキングではツアー全体で2位、賞金ランキングでは約20万ドル(約3,000万円)を稼ぎ出し3位、平均スコアも224.24で3位という安定した成績を残している。18大会に出場し、トップ5入り7回、トップ10入り9回、入賞カット通過(キャッシュフィニッシュ)14回という幅広い勝負強さも見せており、この実績が年間最優秀選手候補として十分な根拠となっている。

ジェイソン・ベルモンテ
ベルモンテは今シーズン、ダブルス大会『PBA Roth/Holman Doubles Championship』での優勝を含む1タイトルを獲得している。個人競技だけでなくパートナー競技でも実力を発揮し、チームでの勝利を掴んだことが評価される。
さらに、『PBA World Championship』ではNo.1シードを獲得した実績がある。ポイントランキングは第3位、賞金ランキングは第4位、平均スコアは225.87で第2位。16のタイトル競技に出場し、トップ5入り4回、トップ10入り9回、キャッシュフィニッシュ14回という成績も収めており、その安定感と競技数の多さが候補入りの大きな理由だ。

グラハム・ファッハ
カナダ出身のファッハは、2016年以来タイトル無冠であったが、この2025年シーズンで見事復活を果たした。『PBA Delaware Classic』での勝利は、彼にとって8年ぶりのタイトルであり、長い低調期間を乗り越えてのタイトル獲得として注目された。
ポイント注文では4位、賞金ランキング6位という成績。16大会出場、平均スコア221.87、トップ5入り5回、トップ10入り8回、キャッシュ参加9回という実績もあり、上位陣との競り合いの中で確かな存在感を見せた。加えて、メジャー大会でのトップ10入り回数もタケットに次ぐ最多という点で、賞の候補としてふさわしいと見なされている。

イーサン・フィオーレ
フィオーレはこのシーズン、注目の若手として頭角を現した。『PBA Players Championship』というメジャー大会で初タイトルを獲得したことが、最大のハイライトである。プレシーズンには非エグゼンプト選手としてトーナメント予選(PTQs)から挑戦を始めたことから、その道のりの険しさを乗り越えてのタイトルである点が評価されている。
フィオーレは今シーズンのタイトル競技13大会に出場し、ポイントランキング第8位、賞金第5位、平均スコアは220.95。トップ5入り3回、トップ10入り4回、キャッシュフィニッシュ9回といった着実な成果を重ねた。21歳という若さも、大舞台での勝利と経験を積む上で注目ポイントとなる。

イェスパー・スヴェンソン
“アイスマン”の異名を持つこの選手は、2タイトルを獲得した。ひとつは『PBA Tournament of Champions』、もうひとつが『PBA Playoffs』。どちらも非常に競争が激しい大会であり、特にPlayoffsでの勝ちは彼のメンタルと技術の両方を示すものとなった。
序盤戦では結果が出ず苦戦したものの、中盤以降に調子を取り戻し、6回のトップ10入り、4回のトップ5入りを含めて安定した成績を維持。ポイントランキングは第7位、賞金ランキングでは約27万ドルを稼ぎ出して2位という数字を記録した。スヴェンソンは2ハンドスタイルを採用する選手の中でも特に注目を集めており、そのスタイルと勝負強さが候補者の中で異彩を放っている。

EJ タケット
2025年シーズンの中でも、EJタケットは断トツの実績を持つ。まず『U.S. Open presented by Go Bowling』、『PBA Pete Weber Missouri Classic』、『PBA Shark Championship』、『PBA World Championship』の4タイトルを獲得。さらにシングルス大会での決勝進出記録を複数打ち立て、連続チャンピオンラウンド進出が7大会というPBA記録を更新するなど、圧倒的な強さを見せている。
統計的には賞金総額が約43万8,540ドル(約6,500万円)、平均スコアは228.60、ポイントリーダーとして34,690ポイントを獲得。トップ5入り11回、トップ10入り12回、キャッシュフィニッシュ15回(タイトル競技17回中)。リムや他の候補者を圧倒する成績で、連覇の期待がかかる。

クリス・ヴィア
クリス・ヴィアは混合ダブルス大会『Storm PBA/PWBA Striking Against Breast Cancer Mixed Doubles』でタイトルを獲得し、その年2つ目のキャリアタイトルをマークした。他にも自己記録更新の平均スコアや複数大会での上位入賞を果たしており、候補としての存在感を深めている。
具体的には16大会に出場し、ポイントランキング6位、賞金ランキング7位、平均スコア222.15という数字を残した。トップ5入り4回、トップ10入り7回、キャッシュ出場(賞金獲得)12回という着実な戦績が、ヴィアを候補者リストに押し上げている。
今回ノミネートされた7名は、いずれもタイトル獲得を含む明確な実績を持ち、異なるスタイルやキャリアステージにある選手たちだ。EJタケットは統計的にも飛び抜けており、連勝記録や平均スコアなどいくつかのPBA記録を狙う位置にある。若手のフィオーレ、復活を果たしたファッハ、安定感のベルモンテなど、多様な選手が候補に名を連ねたことで、2025年シーズンの年間最優秀選手賞争いは非常にハイレベルなものとなっている。
現在、PBA会員による投票が進行中であり、年間最優秀選手賞は今月中に発表される予定だ。タケットか、それとも他の候補が新たな歴史を刻むのか、多くのファンの注目が集まっている。