『きゅぽかの』渡辺大樹先生インタビューPart1。ボウリングを始めた理由

渡辺大樹先生 写真:渡辺大樹先生ご本人提供

渡辺大樹先生 写真:渡辺大樹先生ご本人提供

プロボウラーを目指さないワケ

ープロ試験を受けよう、プロボウラーになろうと考えたことはありますか?

渡辺:マイボールを作った最初の頃は、「自分には才能があるかも」と思い、プロになるのもいいなと考えたことはあります。ただ、突き詰めて考えていくうちに、今の生活スタイルや自分の体をどこまで高められるかを思うと、プロとしてやっていくのは難しいと感じるようになりました。

実際にプロボウラーの方々とイベントや試合で一緒に投げると、その差を強く実感します。技術や知識の深さはもちろんですが、何よりもボウリングに対するひたむきさが違うんです。僕自身も上達することや心地よく投げることは好きですが、一番の違いは「勝ち負けへのこだわり」です。

僕は負けても、その瞬間が楽しかったり、ファインプレーが出たりすれば満足してしまいます。「あの一投は良かったね」と言い合えるだけで十分に楽しめるんです。しかし、プロはそうではなく「ここで勝たなければならない」「絶対に結果を残す」という強い気持ちを持っています。彼らはアスリートであり、そこが僕には欠けている要素だと思います。だからこそ、プロは自分には向いていないのではないかと感じています。

ー渡辺さんは30歳から本格的にボウリングを始められました。同じように30歳でボウリングに夢中になり、プロを目指す人はプロになれると思いますか?

渡辺:可能性は十分にあると思います。ボウリングにはトレンドがあり、その人が持つ技術や知識、これまでの運動経験といった素養、そしていわゆる才能がベースになります。人生をかける覚悟があれば、30歳からでもプロを目指すことは可能です。

ただし、大事なのは「プロになった後にどうするのか」という点です。現状、男子も女子も賞金額は高くなく、賞金だけで生活できるプロは限られています。だからこそ、賞金以外の部分にどれだけ価値を見出し、プロという肩書をどう活かすのかが重要です。そのためには覚悟やプラン、そして「これを成し遂げたい」という希望や野望が欠かせません。

昔の侍に例えると分かりやすいかもしれません。刀が強ければ良かった時代から、江戸時代になると剣を持つ誇りはあっても、それだけでは生活できない時代になりました。同じようにプロボウラーも、「プロである」というプライドを持ちながら、どうやってボウリング界を盛り上げ、社会に価値を提供していくかが問われます。そこに明確な意志がなければ、プロでやっていくのは難しいと思います。


渡辺先生は、30歳からボウリングを本格的に始め、18年のキャリアを歩んできた。その中で「プロは自分には向いていない」と語りつつも、ボウリングを心から楽しみ、仲間やファンとの交流を大切にしてきたことが伝わってくる。

また「30歳からでもプロを目指すことは可能だが、プロとして何を成し遂げるかが重要」と語った言葉には、漫画家として第一線で活躍してきた経験に裏打ちされた重みがある。

インタビューの続きでは、『きゅぽかの』をはじめ、渡辺先生の漫画家としての歩みや創作の舞台裏に迫ります。パート2は近日公開予定。どうぞお楽しみに!

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