2025年シーズン、EJタケットはボウリング界で歴史的な成績を打ち立て、圧倒的な支配力を示した。4つのツアータイトルを獲得し、ポイントランキング、賞金、アベレージなど主要な統計すべてでトップを独走。特に、6大会連続のチャンピオンラウンド進出や7大会連続のシングルタイトル決勝進出といった稀有な記録は、タケットの安定力と技術の高さを象徴している。
個人タイトルだけでなく、彼はTeam USAでも中心的存在として活躍。戦略的なプレーとリーダーシップでチーム全体を牽引し、若手選手の手本となる存在となっている。その姿勢やメンタルの強さは、ボウリングの魅力を広める社会的影響にもつながっており、競技界全体に与える影響は計り知れない。

2025年シーズン:歴史的な記録と支配的な成績
2025年シーズンは、EJタケットにとって最も印象的な年のひとつとなった。彼はシーズン中に4つのツアータイトル(うち2つはメジャー)を獲得し、ポイントリスト(34,690ポイント)、賞金(約6,500万円)、アベレージ(228.60)、トップ5・トップ10・トップ25入り回数など、数多くの統計指標でツアーをリードした。
特に注目すべきは、6大会連続でチャンピオンラウンド進出、さらに7大会連続でシングルスタイトル決勝進出という偉業である。これらの記録はPBA(アメリカプロボウリング協会)史上でも非常に稀有であり、タケットの安定力と競技能力の高さを示している。また、平均228.60という数字は歴代でも上位に位置しており、2017年にジェイソン・ベルモンテが記録した229.39に迫る高水準である。
この圧倒的な成績により、タケットは3年連続でPBA年間最優秀選手を受賞(通算4度目)。アール・アンソニー、マーク・ロス、ウォルター・レイ・ウィリアムズ Jr.、ジェイソン・ベルモンテら偉大な先達に肩を並べる存在となった。受賞後のコメントでは「こんな偉業を成し遂げられるとは思っていなかった」「自分の名前が偉大な選手たちと並ぶなんて本当に特別だ」と感慨を語っている。

挫折からの学び:敗北を糧に変える姿勢
タケットの成功は単なる勝利だけでなく、挫折を乗り越える姿勢にも支えられている。2025年5月、ある試合で10ピンを複数回外して苦戦したが、翌週の大会ではその問題に焦点を当てて練習を重ね、見事タイトルを獲得。この経験を彼は「自分の心が試された瞬間」と振り返っている。
U.S.オープンでも、予選ラウンドで苦境に立たされながら後半に240点台を連発し決勝進出。最終的に優勝を掴むなど、逆境を跳ね返す精神力もタケットの強みのひとつである。
技術・スタイル・用具へのこだわり
タケットの投球スタイルは正確性と適応力のバランスに優れ、安定したライン取りとリリース精度が際立つ。また、レーンコンディションの変化に応じたボール選択にも慎重で柔軟性がある。モーティブ社所属時には、ボールスピード・リリース角度・回転数などのデータも公開されており、彼のプレースタイルや用具へのこだわりがうかがえる。
さらに、長丁場の大会や連戦でも用具のメンテナンスや体調管理を徹底し、過度な疲労を避けることで高水準を維持。こうした準備力と継続力が、彼の長期的な安定成績を支えている。