『きゅぽかの』渡辺大樹先生インタビューPart3。ボウリング界の課題と未来

渡辺大樹先生

漫画『きゅぽかの』 写真:Bowling Agent

ボウリングを描く難しさと、人間ドラマへの挑戦

ー『きゅぽかの』の今後について、考えていることを教えてください。

渡辺:まずはマイボウラーの人たちをもっと描きたいですね。普段関わっている方々がどんな面白い人たちなのか、その魅力を作品を通して出したい。さらに、プロボウラーの生き様や、彼らを支える周囲の人の存在も描いてみたいです。

ただ、ボウリングは漫画で描くのが本当に難しい。リリースしてからピンヒットまで、コマの中には「ボールとレーン」しかない。動きや回転をどう表現するかが難しくて、試合シーンは特に手数が足りなくなります。

だからこそ、人間ドラマやメンタル面も絡めて、読者が感情移入できる形にしたい。最近のアニメ『Turkey!』のように、ボウリング要素を出しつつ、それだけにとどまらない物語性を持たせる挑戦をしていきたいと思っています。


今回のインタビューでは、ボウリングを取り巻く全体の課題や可能性について、渡辺先生の率直な視点を伺うことができた。レジャーと競技の両立、若者や新規層の取り込み、そして作品としてどうボウリングを描くか。いずれも簡単に答えの出るものではありませんが、その一つひとつに挑戦し続ける姿勢が伝わってくる。

『きゅぽかの』は一旦休載中ではありますが、復活への構想は動き続けている。そこに込められた想いと、ボウリングへの深い愛情が、これからもファンと作品をつなぎ続けるはずだ。

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