ウレタンボール78Dルール、欧州で廃止へ!EBF会長「逆効果だった」

ヨーロッパボウリング連盟(EBF)

ヨーロッパボウリング連盟(EBF)は、欧州ツアー(EBT)で導入していた「ウレタンボールの硬度78Dルール」を、2026年シーズンから廃止することを発表した。このルールは導入からわずか1シーズンで下火となり、参加大会数が減少した原因の一つとEBF側が分析している。

この78Dルールは、ウレタン素材のボールに対して「硬度が78D以上でなければ許可しない」という制約を設けたもので、柔らかいタイプのボール使用を制限する狙いがあった。しかし実際には逆効果を招き、ツアーから大会が離れる結果となった。2024年には14大会あったEBTが2025年には6大会に激減。主催者からは「このルールが参加を萎えさせた」との声も上がっていた。

一方で、8月に出たウレタンボールの法則が今後の競技環境を一層厳しくする可能性にも触れている。これは、78Dルールの廃止を受けて、ウレタンボールの設計がより柔軟かつ性能重視へシフトする動きが強まっていることを指す。メーカーはルールぎりぎりの硬度で最大限のパフォーマンスを引き出す新素材を開発しており、選手側もそれに合わせた技術適応が求められているという。

EBF会長ヴァルゲイル・グズビヤルソン氏は「78Dルールは大会主催を安定させる目的で導入したが、実際には逆効果だった」と述懐。ルール撤廃によって、カレンダー再構築と大会数の回復を目指すとした。

一方、アメリカではすでに規制が一段階進んでいる。USBC(米国ボウリング協会)は2025年9月にウレタンボールの使用制限リストを発表し、特定モデルの大会使用を禁止とした。さらに2026年以降は「公認競技でのウレタンボール使用禁止」を段階的に導入する方針を示しており、78Dルール撤廃とは対照的な動きを見せている。

ウレタン素材をめぐるルールは、競技環境そのものを左右する重要な要素だ。EBFの撤廃は自由度を取り戻す動きといえるが、USBCのように規制強化へ進む地域もあり、今後の国際的な整合性が注目される。選手・メーカーともに、新時代のボウリング環境への適応が問われる局面となりそうだ。

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