
仕事帰りの遊びがきっかけに。「負けず嫌い」でボウリングにのめり込む道上
―ボウリングを始めたきっかけを教えてください。
道上:始めてからもう10年近くになります。もともと子どもの頃からやっていたわけではない。当時はラウンドワンが夜中まで営業していたので、同じお店で働いていた女の子と「仕事終わりに行こう」となって通い始めました。そこでスタッフさんに「ボールを作ってみたら?」と勧められたのが最初でした。最初は友達にずっと負けていて、負けず嫌いが出てしまって「絶対上手くなりたい」と思ってのめり込んでいきました。その友達はもうやっていないんですけど、私はそのまま続けて今に至ります。
―道上さんにとって、ボウリングとはどんな存在ですか?
道上:いいことも悪いことも全部含めて、いろんな人と出会わせてくれるものだと思います。ボウリングを通じてたくさんの出会いがありましたし、自分の人生を広げてくれた大切な存在です。
―ボウリングというスポーツの魅力は、どんなところにあると思いますか?
道上:他のスポーツと違って、点数がはっきり見えるところが特徴です。逆にそれを「面白くない」と言われたこともあります。途中経過で結果が見えちゃうから、逆転できないって。でも私はそうは思っていなくて、何十点も離れていない限りは、最後まで何が起こるか分からない。だからこそ、あきらめずに投げるのが楽しい。個人的にはピンを“パーン!”って倒す瞬間がすごく気持ちよくて、それが一番の魅力ですね。
―プロボウラーを目指したいと思ったことはありますか?
道上:昔は少し考えたこともあります。でも今は生活環境もあって、今のままのスタイルがいいのかなと思っています。自由に投げられるし、実は猫を5匹飼っていて、保護猫活動もしています。捨てられていた子たちを保護して育てる活動も続けていて、ボウリング以外にもやりたいことがたくさんあるので、今はそのバランスを大切にしています。
ケガを抱えても「どうしても出たい」と挑戦を続ける姿勢。そして、「ボウリングは自分にとって出会いをくれるもの」と語るその言葉からは、競技の枠を超えた深い愛情が伝わってきた。一投一投を大切にしながら、自分らしくボウリングに向き合う道上の姿勢は、多くのアマチュアボウラーに勇気を与えるだろう。
また、ボウリングの魅力を「ピンが弾ける瞬間」と表現する笑顔には、純粋にこの競技を楽しむ気持ちがあふれていた。勝敗を超えてボウリングを愛する——そんな彼女の思いが、インタビュー全体を通じて強く印象づけられる。
次回Part2では、道上とともに活動するプロボウラー・澤田春花との関係、そして二人で取り組むイベントやチャレンジマッチの裏側について迫る。