ホワイトハウスにボウリング場が?トランプ改造計画前の歴史を振り返る

ドナルド・トランプ 写真:Daniel Torok/提供: Wikipedia 

2025年10月、ドナルド・J・トランプ前大統領はホワイトハウス東棟の一部を解体し、約8,400平方メートルの新しいボールルームを建設する計画を発表した。最大650人を収容可能なこの舞踏室は、大統領就任式や外交イベントなどの公式行事に使用される予定であり、トランプ氏はこれを「アメリカの卓越性の象徴」と位置づけている。しかし、個人の趣味や意向でホワイトハウスを改造することは決して珍しいことではない。

その象徴的な例が、1947年4月19日にハリー・S・トルーマン大統領がホワイトハウス西翼地下に開設したボウリング場である。当時2レーンのこのボウリング場は、トルーマンの誕生日を祝うために匿名の支援者から贈られたものであり、ホワイトハウス改修の一環として建設された。

トルーマン自身はボウリング愛好者ではなかったが、職員やゲストが利用できるレクリエーション施設として重宝された。1955年には旧行政事務所ビル地下に移設され、職員専用施設として活用され続けた。その後、1973年にはリチャード・ニクソン大統領の要請で北ポーチ下に新たな1レーンのボウリング場が建設され、ニクソン自身が頻繁に利用したと伝えられている。

このように、ホワイトハウスのボウリング場は、歴代大統領や職員にとって仕事の合間のリフレッシュや社交の場として重要な役割を果たしてきた。現在も旧行政事務所ビル地下の施設は職員とゲスト専用として運用されており、アメリカ大統領の個性や趣味が反映されたユニークな施設として歴史に刻まれている。トランプ氏のボールルーム建設も、こうした伝統の延長線上にあると言える。

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