米国のボウリング統括団体、United States Bowling Congress(USBC)は、大学生向け地区予選(セクショナル)大会において、ウレタン素材を使用したスローオイル吸収型ハイパフォーマンスボール(ウレタンボール)の使用禁止を決定した。大学ボウリング部のコーチ陣からの意見聴取を受け、インターカレッジ部門で今年既に適用されていた同規制を、広く大学セクショナルにも拡大する。
具体的には、ウレタンボールがレーンパターン(オイルの敷設と摩耗状況)に及ぼす影響や、通常のリアクティブボールとの競技的公平性に対する懸念が背景にある。USBCは「ウレタンタイプのボールはオイルパターンを崩しやすく、技術スタイルの異なる選手間で不均衡が生じる」と説明しており、若手育成や公正な競技環境確保が主な目的だ。
禁止の対象となるボールは、「オイル吸収時間が90分を超える高性能コア搭載ウレタンボール」と定義されており、2026年1月1日以降、全国大会クラスでは使用全面禁止もしくは硬度78D以上という新基準が適用される予定だ。大学セクショナルではすでにウレタンボールの使用が認められない形となっており、選手・コーチ・用具メーカーへの影響は広範囲に及ぶ。
この動きは、プロや上級大会における規制強化の流れと歩調を合わせたものだが、地方のリーグ戦や一般・学生の通常大会では当面従来通り使用可能とされており、段階的な導入設計となっている。USBCはまた、硬度テストや用具適合リストの公開など監視強化も併せて実施する方針を示している。
大学連盟や選手らからは「装備依存ではなく技術を磨く機会になる」「大学ボウリングの敷居が下がる」という前向きな声もある一方で、「ウレタンによるプレースタイルを変えなければならない」など戸惑う声も聞かれる。今後、ウレタンボール禁止が競技スタイルやボール市場にどう影響するか、注視される。