ボウリングは一見、技術と集中力がすべてに見える競技だが、実際には食事も結果を左右する大切な要素の一つである。
1ゲーム10フレームを何度も投げ続ける中で、持久力・集中力・筋肉の安定性を維持するには、日常の食生活以上に“栄養戦略”が求められる。特に大会では朝早くから夕方まで長丁場になることも多く、食べるタイミングと内容を間違えると、思わぬ失速を招くことがある。
この記事では、日本の食文化や大会スケジュールを踏まえ、ボウリング大会の前・中・後に分けて、どのように食事を取るべきかを詳しく紹介する。正しい食事戦略を身につけることで、ボウラーはより長く、安定したパフォーマンスを維持できるだろう。
前日~大会当日朝:エネルギーと水分をため込む
大会前日は、筋肉や脳のエネルギー源となるグリコーゲンをしっかり蓄えることが重要だ。主食には白ご飯、玄米、五穀米のほか、軽めのトマトソースパスタや全粒粉パンもおすすめ。主菜には鶏胸肉、豚ヒレ肉、またはサーモンなど良質なたんぱく源を。副菜には温野菜(ブロッコリー、人参、カボチャ、ほうれん草など)を添えるとバランスが良い。脂っこい揚げ物や味付けの濃すぎる加工食品、スパイスの強い料理は消化に負担をかけるため避けたい。就寝前には水を1〜2杯飲み、体内の水分バランスを整えることも忘れずに。
当日の朝食は試合開始の2〜3時間前に済ませるのが理想。炭水化物中心で、たんぱく質を適度に含むメニューを心がけよう。ご飯+納豆+焼き鮭+味噌汁、またはツナサンド+バナナ+ヨーグルト、オートミール+牛乳+ゆで卵などが良い例だ。起床後と朝食時、さらに出発前にコップ1杯ずつ水を飲み、スポーツドリンクなどで軽く塩分を補給しておくと、脱水や集中力の低下を防げる。
大会中:こまめに補給、集中を途切れさせない
ボウリングの大会では長時間にわたるため、“持続的なエネルギー供給”が欠かせない。空腹を感じる前に、少量ずつエネルギーを補給することがポイントだ。バナナやりんごなどの果物、クラッカー、おにぎり(昆布・梅・鮭など)、全粒粉のサンドイッチ、ナッツやドライフルーツ、プロテインバーなどが便利。これらは血糖値を安定させ、集中力を維持しやすい。チョコレートや甘い菓子パンは一時的なエネルギー補給にはなるが、急激な血糖値の上昇と下降を招くため控えめに。
水分補給は10〜15分おきに少しずつ行うのが理想。常温の水、スポーツドリンクなどを交互に摂り、汗で失われたナトリウムやカリウムを補う。油分・塩分の多い食事を途中で取ると消化にエネルギーを奪われるため、試合中は軽やかな胃の状態を保つよう心がけよう。
大会後:回復を促す、筋肉・脳を整える
試合後1時間以内は回復のゴールデンタイム。たんぱく質と炭水化物をバランスよく摂取しよう。例として、鶏もも肉丼+味噌汁+バナナ+豆乳、あるいはサーモンと野菜のパスタなどが理想的だ。これにより筋肉修復とグリコーゲンの再補充がスムーズに行える。
夕食には、鮭の塩焼きやサバの味噌煮、または鶏むね肉のソテー、白身魚料理などを中心にした定食スタイルがよい。サラダや根菜の味噌汁を加え、ビタミンとミネラルを十分に摂る。アルコールや揚げ物、炭酸飲料は疲労回復を妨げるため避け、就寝前は白湯やハーブティーで体をリラックスさせるとよい。