米ボウリングコーチに有罪判決。13歳少年への暴行で保護観察処分

ボウリングのレーン 写真:Steven Cordes/提供:Unsplash

アメリカ・ウィスコンシン州の裁判所は12月12日、元高校ボウリングコーチの男に対し、13歳の少年を絞めた罪で 2年間の保護観察処分 を言い渡した。事件は今年4月に同州アップルトンのボウリング場で発生し、地元コミュニティに大きな衝撃を与えた。

被告は 60歳のジェームズ・ベイルフス(James Beilfuss) で、アップルトン近郊にある『ウォリーズ・シーモア・ボウリング・アレー(Wally’s Seymour Bowling Alley)』というボウリング場のオーナーでもあった。裁判でベイルフス氏は絞扼(こうやく)罪と窒息の罪で有罪を認め、保護観察付きの有罪判決を受け入れた。

事件当日、ベイルフス氏はボウリングリーグの練習中に13歳の少年と口論になったとされる。裁判記録によると、少年が投球の仕方をめぐって言い返したことに対し、ベイルフス氏は「制御を失った」と認め、少年の首を掴んだという。被害少年はその後、首の痛みや赤い痕、声のかすれを訴えており、当時その場にいた他のリーグ参加者の何人かはその光景にショックを受け、そのまま練習を離れ保護者に連絡したと報じられている。

公判で検察側は、被告の行為について「子どもたちを相手にする際の適切さを欠いた過剰反応であり、怒りの制御に問題があった」と主張した。一方で、弁護側はベイルフス氏がこれまで他の子どもにも反発された経験があり、その日の出来事で過度に反応したと説明している。

被告は裁判で有罪を認めた後、判事からの判決に従う形となった。裁判官の マーク・マクギニス氏(Mark McGinnis) は、被告に対して 90日間の拘留刑を言い渡したものの、その期間は執行を停止し、代わりに2年間の保護観察を命じた。 保護観察期間中に違反があった場合は、初めに言い渡された拘留刑が執行される可能性がある。

さらに、裁判所は被告に対し 被害者および地域社会への謝罪文を書くこと、怒りの管理クラスに参加すること、そして被害少年との接触を一切持たないこと も命令した。裁判官は判決理由として、「ベイルフス氏が数秒のうちに状況を理解し、エスカレートを止めたことは結果的にすべての関係者にとって好ましい方向に働いた」と述べたという。

本件は、スポーツ指導者や地域コミュニティにおける大人の行動と子どもへの対応の重要性を改めて問う事件として、多くの注目を集めている。

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