PBA、過去にもウレタンボール禁止検討?その理由と経緯

PBAのロゴ

近年、ウレタン素材のボウリングボールをめぐり、使用規制の動きが国際的に注目を集めている。USBC(米国ボウリング協会)は2025年9月に全国大会でのウレタンボール規制案を発表し、2026年以降は主要大会での使用禁止や硬度基準の強化を段階的に導入する方針を示している。禁止対象は主に「オイル吸収時間が長い高性能ウレタンボール」で、試合中のオイルパターンへの影響や競技の公平性を理由としている。

この動きは、競技現場や用具メーカーにも大きな波紋を広げている。PBAツアーのスター、ジェイソン・ベルモンテも新規則を批判し、基準の不透明さや一貫性の欠如を指摘しているほか、HAMMER社は「選手の努力や投資を軽視するもの」と公式に反発の姿勢を示している。

しかし、ボール規制をめぐる議論は今回が初めてではない。1981年のPBAナショナル選手権で、ウレタンボールの登場が競技に影響を与えたことを受け、当時PBA内部で禁止案が全会一致で可決された歴史がある。その後、ウレタン全面禁止はボウリング界のメーカー関係や運営体制との関係から撤回され、ウレタンボールの使用は認められ続けた。これは技術革新とルール運用の難しさを象徴する出来事として語り継がれている。

ウレタンボールは表面摩擦の強さや柔らかさから、オイルパターンの影響を受けやすく、特定のプレースタイルを促進する側面があるとされる。こうした特性が公平性の議論を呼び、PBAは過去数シーズン、「ショア硬度78D以上」という独自の基準を設けて競技公正性を保つ取り組みを続けてきた。

一方で欧州ボウリング連盟(EBF)はウレタンに関する78Dルールを廃止する動きもあり、地域ごとに対応は分かれている。

40年以上を経た今も、ウレタン素材の扱いはボウリング界の大きなテーマだ。禁止検討の歴史と現在の議論を通じて、機材と競技のバランスをどう保つかという根本的な問題が改めて問われている。

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