マレーシアで国内公式大会におけるウレタン素材ボールの使用が禁止されるという大きなルール変更を受け、同国のナショナルチーム選手であり、PBAツアータイトル保持者でもあるトゥン・ハキム(Tun Hakim)がその意図と影響について考えを述べた。マレーシアテンピンボウリング協会(MTBC)は、国内のすべての公認大会で「オイルをゆっくり吸収する高性能ウレタンボール」の使用を認めないことを発表。競技環境に大きな変化をもたらすこの決定は、国内外のボウラーから注目を集めている。
ハキムはこのニュースについて、「最初は驚いたが、同時に意図は理解できる」と率直な感想を語る。MTBCによると、この禁止措置の目的は競技の公平性を守ることと、レーンコンディションを安定させること、そして用具管理の簡素化にあるという。特にウレタンボールは、レーンオイルの状態や変化に大きく影響するため、競技中の環境を均一に保つことが難しくなるという懸念が背景にある。
ウレタンボールは世界中で多くのボウラーにとって重要な戦術アイテムだ。近年のボウリング教育においても、ウレタンはレーンの読みや微調整において欠かせない存在となっている。そのため禁止は一部で議論を呼んでいるが、ハキムは「この変更が選手に多様なスキルを育てるきっかけになり得る」と前向きに捉えている。彼は「ウレタンに頼るのではなく、より幅広い戦略やテクニックに目を向ける必要が出てくる」と説明し、長期的な競技力向上につながる可能性を指摘した。
一方で、国際大会ではウレタンボールが依然として広く使用されている現状を鑑み、海外との競争力について懸念する声もある。特にIBF世界選手権などのメジャー大会ではウレタンが戦略的に使われる場面が多く、国内で使用機会が制限されると不利になるのではないかという指摘だ。しかしハキムはこの点について、「国際大会に向けて適切な準備をすれば不利にはならない」と述べ、海外遠征や国際基準での練習を重ねることで対応可能だとの見解を示している。
MTBCによる禁止措置は、技術的専門家やコーチ、エリートアスリートの意見も交えて慎重に検討された結果とされ、世界的なトレンドや地元のレーン条件、USBC(アメリカボウリング会議)の研究結果も参考にされたという。現時点では即時適用されているが、今後も状況が監視され、必要に応じて再評価される可能性がある。
このルール変更はマレーシアだけでなく、グローバルな用具規制の動きにも影響を与える可能性があり、ボウリング界全体が注目している。