朝の暇つぶしが伝説に!主婦チェ・ヒョンスク、韓国史上最強ボウラーへ

チェ・ヒョンスク 写真:KPBA Media Center

韓国プロボウリング界で前人未到の16勝を挙げた“女王”チェ・ヒョンスク(최현숙)。その偉業だけを見れば、生まれながらのエリート選手を想像するかもしれない。しかし彼女の物語は、トップアスリートとは対極ともいえる場所から始まっていた。

チェ・ヒョンスクが初めて本格的にボウリングに触れたのは28歳の時だった。結婚後、夫の仕事の都合で光州へ移住。知人も少なく、慣れない土地で孤独を感じる日々が続いたという。そんな中、夫を送り出した朝の時間に、気分転換として近所のボウリング場へ通い始めた。主婦向けの朝クラブに参加したことが、すべての始まりだった。

最初はあくまで“暇つぶしの趣味”だった。しかし、その才能は驚くべきスピードで開花する。競技を始めてわずか1か月でアベレージ170を記録。当時としては破格の数字で、周囲は一気に注目したという。本人も「私が会場に現れると空気が変わった」と振り返るほど、アマチュア大会では圧倒的な存在になっていった。

その後、全国のアマチュア大会で優勝を重ね、“賞金ハンター”の異名を取るまでに成長。そして2012年、満を持してプロテストに合格した。年齢的にも決して若くない挑戦だったが、翌2013年にはルーキーイヤーで新人王、MVP、年間ランキング1位を同時獲得。韓国ボウリング界に突如現れた新星として、一気に頂点へ駆け上がった。

そして今、49歳となったチェ・ヒョンスクはなお進化を続けている。4月2日に開催された「第9回井邑タンプンミインカップ」で優勝し、通算16勝目を達成。韓国プロボウリング男女通算最多勝記録をさらに更新した。2016年から2020年のコロナ禍中止年を除き、10シーズン連続優勝という偉業も継続中だ。

彼女は「アマチュア出身の私が、絶対的な強者たちの世界でここまで勝ち続けてこられたことを誇りに思う」と語った。華々しい経歴を持たず、遅咲きで、家庭と競技を両立しながら築いたキャリア。その言葉には、誰よりも努力してきた者だけが持つ重みがある。

孤独な新生活の朝、何気なく始めたボウリングが人生を変えた。主婦としてレーンに立った女性は、今や韓国史上最強の“女王”となった。チェ・ヒョンスクの物語は、年齢や環境に関係なく挑戦できることを証明している。

ニュースを受け取る