ボウリングで親指が腫れる理由とは?原因と効果的な解決方法

ボウリングボール 写真:Keyner Ordoñez/提供:Unsplash

ボウリングをしていると、プレー中や投げ終えた後に親指が赤く腫れたり、痛みを感じたりすることがある。軽度のものなら休めば治まることもあるが、繰り返し起きる場合はフォームやボールそのものに原因が隠れている可能性が高い。親指の腫れは単なる「疲労」ではなく、ボウラーのパフォーマンスや安全性に直結する問題だ。

この症状は、サムホールのフィット具合やボールの握り方、さらには身体コンディションなど、複数の要素が重なって起こる。放置すると慢性的な痛みや関節の炎症につながることもあり、早めの見直しが必要だ。ここでは、親指が腫れる主な原因と、その予防・改善策を整理して紹介する。


親指が痛い・腫れる原因

サムホールのフィット不良

最も多い原因は、サムホールのサイズや角度が自分の手に合っていないことだ。ホールが狭すぎると圧迫されて血流が滞り、摩擦や熱で炎症を起こす。逆に広すぎるとボールを落とさないように強く握ってしまい、筋肉や腱に過度な負担がかかる。こうしたフィット不良は、見た目ではわからなくても長期的に指にダメージを与える。

過度な握り(グリッププレッシャー)

ボールを安定させようとして、必要以上に握りしめるボウラーも多い。特に緊張する場面や重いボールを使う時は、無意識に力が入りやすい。これにより親指の関節や付け根が圧迫され、慢性的な炎症や「サムロック」(親指が抜けにくくなる現象)を引き起こすことがある。

身体コンディションの影響(脱水・血流不良)

脱水状態や体の冷えも、腫れを悪化させる一因となる。体内の水分が不足すると組織が膨張しやすくなり、血流が悪化して炎症を誘発する。特に朝の試合や長時間移動後などは、指先が冷えているため腫れやすい傾向にある。水分補給やウォームアップの不足も見逃せない。


親指の腫れを防ぐための実践的な対策

サムホールの再調整

最も基本的かつ効果的なのは、サムホールのサイズと角度を調整することだ。プロショップで自分の手に合わせて加工すれば、余計な摩擦や圧迫を軽減できる。さらに、親指テープを使って日々の微妙な変化に対応するのも有効だ。

リラックスしたグリップを意識する

ボールは「握る」よりも「支える」感覚で持つことが重要だ。手のひらにボールを預け、自然な動きで振るうように意識すれば、指への負担を大幅に軽減できる。投球フォームを動画で確認し、力が入りすぎていないか客観的に見ることもおすすめだ。

ウォームアップと血流促進

プレー前のストレッチや指・手首の回転運動は、血流を促し腫れを防ぐ基本。冷えた手で急に投げ始めると、筋肉や腱が硬い状態で負荷がかかりやすい。特に冬場や冷房の効いたセンターでは、手を温めてからプレーすることが望ましい。

水分補給と休憩

水分不足は腫れの原因となるため、試合前から意識的に水を摂取する。ゲームの合間に休憩を取り、プレー後には10〜15分のアイシングを行うと炎症を抑えられる。長時間の連投を避けることも、慢性化防止に役立つ。

痛みが強い場合は専門医へ

腫れが数日続いたり、痛みを伴う場合は自己判断せず医師の診察を受けるべきだ。腱炎や関節炎などの初期症状を放置すると、長期離脱を余儀なくされるケースもある。腫れた状態で投げ続けるのはリスクが高く、まずは休養を取ることが大切だ。


親指の腫れは、サムホールの不適合や握りの癖、体調管理の不備など、複数の要因が絡み合って起こる。しかし、フィット調整・リラックスしたフォーム・こまめな水分補給を徹底すれば、防止と改善は十分に可能だ。

「少し痛いけど大丈夫」と我慢せず、早めに調整することが、長くボウリングを楽しむための第一歩である。

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