再選されたEBF会長が語るウレタンボール問題「悪いものではない」

ヴァルゲイル・グズビャルトソン氏(左)写真:EBF

ヨーロピアン・ボウリング連盟(EBF)会長に再選されたヴァルゲイル・グズビャルトソン氏が、ボウリング用品の中でも議論を呼ぶウレタンボールに言及し、その扱いをめぐる現状を語った。

ウレタンボールとは、従来のリアクティブポリエステルカバーではなく、ウレタン素材を用いたボールで、オイルパターンやレーンの状態に応じて挙動が異なるという特徴がある。グズビャルトソン会長は「この話はまだ終わっていない。数週間で結論が出るとは思わない」と明言しており、EBFおよび国際ボウリング連盟(IBF)で現在も規制の見直しが進んでいると述べている。

その一方で、会長は「ウレタン自体は悪いものではない」とも語っており、「だが、違法とされるような使用が横行しているのも事実だ。何らかの対策を取る必要がある」と慎重な姿勢を示した。特に、ウレタンボールがオイルを吸収する速度やレーンへの影響が、選手間の公平性を損なうとの懸念が背景にある。

欧州ツアー(EBT)では既に“硬度78Dルール”の撤廃が発表されたなど、ウレタンに関する規制が大きく変わる岐路に立っている。グズビャルトソン会長は、EBFとして独自に動く可能性も示唆しており、「まだIBFの指示待ちというわけではない。EBF内でも検討を進めている」と語った。

ボウリングにおける用具の影響が大きくなった現代、素材規制は選手の技術・戦略に直結する重要なテーマだ。ウレタンボールの今後の位置づけがどうなるかは、欧州の選手・大会運営だけでなく、世界的なボウリング競技環境にも波及する。グズビャルトソン会長の言葉どおり、「物語はまだ終わっていない」。今後の議論と発表に注目が集まっている。

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