米女子プロボウリング協会(PWBA)の地域ツアー「マートルビーチ・リージョナル」が11月8日、サウスカロライナ州マートルビーチのマートルビーチ・ボウルで開催され、カリフォルニア州レッドウッドバレー出身のマランダ・パティソンが自身初のPWBAタイトルを獲得した。決勝では第1シードのクリスティーナ・カトーを217対186で破り、賞金2000ドルと2025年の「PWBAリージョナル・ショーダウン」への自動出場権を手にした。
パティソンは予選ラウンド(8ゲーム)で1630ピンを記録し、42選手が出場した中で第2シードとして決勝ステップラダーに進出。上位4名のみがアベレージ200を超えるという厳しいコンディションの中での快挙だった。
決勝ステップラダーの開幕戦では、すでに2025年のリージョナルツアーで優勝経験のあるブルック・ロバーツ(フロリダ州ポートオレンジ)とサマー・ジャスミン(ウェストバージニア州ベックリー)が対戦。ロバーツが202点をマークして準決勝に駒を進めた。ジャスミンは146点で4位となり、賞金600ドルを獲得。ロバーツは準決勝でパティソンと対戦し、187点で3位となり賞金800ドルを手にした。
準決勝に進んだパティソンは、序盤から圧巻のパフォーマンスを披露。前半8フレーム連続ストライクという完璧な立ち上がりを見せ、最終的に265点というこの日のハイゲームで決勝進出を決めた。決勝ではわずか2回のミスに抑えた安定感抜群の投球で217点を記録。対するカトーは序盤の2オープンが響き、169点で準優勝に終わった。
パティソンは「今日の勝利は、自分の努力が実を結んだ瞬間だと感じています。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。忍耐がこの瞬間を支えてくれました」と喜びを語った。彼女は2024年8月に男子部門のPBAリージョナルで優勝しており、今回は女子ツアーでの初優勝。自身のキャリアにおける大きなマイルストーンとなった。
パティソンは大学時代、アメリカのマッケンドリー大学およびジャクソンビル州立大学でプレーし、全米オールアメリカンに4度選出。2022年と2024年には異なる大学でNCAAボウリング選手権を制覇するなど、輝かしい実績を誇る。2025年初頭にはネバダ州リノで行われたチームUSAトライアルを通じて代表入りを果たしている。
プロ転向後について「大学からプロの世界に入るのは簡単ではありませんでした。自分より上手な選手たちの中で学ぶことが、自分を成長させてくれた」と振り返っている。
2025年のPWBAリージョナルツアーは、12月4日から6日にかけてフロリダ州サンフォードのエアポート・レーンで開催される「PWBAリージョナル・ショーダウン」でシーズン最終戦を迎える予定。今回の優勝により、パティソンはこの最終イベントへの出場権を確定させ、さらに2026年のナショナルツアー出場権や特典獲得の可能性を広げた。
この勝利は、パティソン個人の栄光にとどまらず、世界の女子ボウリング界において“新たな才能の登場”を強く印象付ける大会となった。