アメリカ・カリフォルニア州エルヴェルタの右腕ボウラー、アンドリュー・グラニット(Andrew Granite) が11月14日、サクラメントのカントリークラブ・レーンズで行われたリーグ戦『ラッキーボウラー・ハイローラー』でUSBC公認史上41人目となる“900シリーズ”を達成した。3ゲーム連続パーフェクトという究極の記録を成し遂げたその夜、グラナイト本人が『bowl.com』のインタビューで詳細な心境を語っている。
彼は最初から記録を狙っていたわけではなく、「この日の目標は“900”じゃありませんでした。まずは720シリーズを超えたいという気持ちだったんです」と落ち着いた口調で話す。しかしストライクが積み重なるにつれ、会場の空気が変わっていった。「ストライクを重ねるにつれて、気づけば周りが静かになっていて…。自分でも“これはもしかして…”と思う瞬間がありました」と振り返った。
最も緊張が走ったのはもちろん最後のフレームだ。「最後のフレームは人生で最もプレッシャーを感じた瞬間でした。心臓がバクバクで、手が震えて…。でもとにかく、自分を信じるしかなかった」36投目のストライクがピンを倒した瞬間、会場は大きな歓声に包まれ、その圧倒的な瞬間はグラナイトの記憶に深く刻まれた。
さらに、この日のコンディションは極めて難易度の高い46フィートのSYCチャレンジパターン。一般的なハウスコンディションとは比べ物にならないほどシビアで、グラナイト自身も「こんな難しいパターンで900が出るなんて、自分でも信じられません。普段よりライン取りもシビアになるので、本当に一投の重みが違うんです」と驚きを隠さない。
この偉業を「ボウリング人生で、こんな日が訪れるなんて思ってもいませんでした。ずっと忘れない日になると思います」と語る彼は、同時に支えとなった仲間への感謝も口にしている。「チームメイトやリーグの仲間がいたからこそ達成できた記録です。みんなの応援が本当に力になりました。」
USBCが記録を開始して以来、公式に認定されている900シリーズはわずか41件という極めて稀なものだ。その中にアンドリュー・グラナイトの名が新たに刻まれた。難パターンを突破し、プレッシャーに打ち勝ち、36発のストライクを積み重ねた完璧な夜。彼の言葉から、その緊張と興奮、そして喜びが鮮明に伝わってくる。