52年繰り返された構図とは…ボウリング不正疑惑の実態に迫る動画公開

ボウリングボール 写真:Keyner Ordoñez/提供:Unsplash

ボウリング界の“最大の不正疑惑”に迫るドキュメンタリー動画が、5月1日に公開され注目を集めている。YouTubeチャンネル『Pin Action Bowling』が公開した本作は、1973年から2022年、そして現在に至るまで続く“ボール改造問題”の歴史と、統括団体の対応を詳細に検証した内容となっている。

動画の中心となるのは、2022年のPBAトーナメント・オブ・チャンピオンズで起きた出来事だ。大会直前の硬度テストで、3つのボールが規定を満たさず失格となり、使用が禁止された。しかし、これらのボールを持ち込んだ選手の名前は公表されず、処分も下されなかった。問題は“選手ではなくボール”として扱われ、その後ルール変更が行われた。

この対応は過去にも繰り返されてきたという。動画では1973年の事例が取り上げられている。当時、ドン・マッキューンが化学薬品を使ってボールを加工し、シーズン6勝を挙げるなど圧倒的な成績を残した。しかしこのケースでも選手個人への処分はなく、ルール改正によって対応が図られた。

こうした流れは約50年後の2022年にも再現された。問題となったのは、2016〜2017年製のパープルハンマー。硬度基準を下回る可能性が指摘され、実際にテストで不合格となったが、やはり選手名は非公開のままとされた。その後、USBC(全米ボウリング協会)は該当モデルの認可を取り消し、ルール改正へと進んだ。

さらに、PBAとUSBCの間で対応が分かれた点も大きな論点となっている。USBCが一部ボールを大会から除外した一方で、PBAは同じボールの使用を認め続けるなど、統一されていない対応が明らかとなった。

2023年にはPBAが硬度基準を引き上げ、製造時期による使用制限を導入。そして2025年にはUSBCが「ボール改造を証明するには選手の自白が必要」と認め、現行ルールの限界が公式に示された。

動画は、こうした一連の流れを「52年間変わらない対応」と指摘。問題が発覚するたびに、選手ではなく用具側に責任を求め、ルール変更で収束させる構造が繰り返されてきたと分析している。

ボウリングは用具性能の影響が大きい競技であるだけに、公平性の担保は常に重要なテーマだ。今回のドキュメンタリーは、その根幹に関わる問題を改めて浮き彫りにした。

競技の信頼性をどう守るのか。今後のルール運用や統括団体の対応にも注目が集まる。

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