PBAは9月15日、2025シーズンの新人王『Harry Golden PBA Rookie of the Year』候補者を公式に発表した。この賞は、シーズン初参戦の選手の中から最も優れたプレーを見せたルーキーに贈られるものである。
新人王の候補に選ばれるためには、少なくとも3大会に出場し、ルーキー内でポイントおよび賞金ランキングの両方でトップ5に入ることが要件となっている。PBA会員による投票により受賞者が決定される仕組みであり、2025年の新人王は12月9日週に発表される予定だ。
以下に、2025年新人王候補の4選手とそれぞれの注目ポイントを紹介する。
ライアン・バーンズ
ライアン・バーンズは2025年シーズンで新人選手として最も際立った成績を収めた一人だ。ポイント 12,188、賞金113,502ドル(約1,600万円)、平均スコア 220.12 を記録し、16大会中12大会でキャッシュフィニッシュ(賞金対象)を果たしている。トップ5入りも3回、トップ25入りは9回と、安定感のある成績が光る。
また、アマチュアとして2024年のPBAプレイヤーズチャンピオンシップで3位入賞した経験を持ち、『PBA Tour Trials』を経て正式にツアーの資格を獲得。新人ながら高いレベルの舞台で実績を積んできた。
さらにバーンズは、PBAプレーオフにも新人として初めて進出したことが注目される。これまで新人がこの大会に出場すること自体が難しく、その点が評価されている。また賞金も10万ドルを超え、史上初の新人収益記録を打ち立てた。
カム・クロウ
カム・クロウは両手打法の左投げというスタイルで注目されている新鋭だ。213.39 の平均スコア、入賞数やキャッシュ獲得が複数であり、特にシーズン序盤の『PBA Delaware Classic』では予選で2番手クオリファイを果たした。最終的には9位で大会を終えている。
初戦から非凡な潜在能力を見せ、トップ10入りを含めた複数の好成績を重ねた。第一戦から実力を示すパフォーマンスがあり、期待されるルーキーの一人である。
ただし、タイトルはまだ獲得しておらず、賞金ランキングやポイントランキングでも新人の中で上位ではあるが、バーンズとの差は大きい。今後の大会でタイトルを取れるかが焦点となっている。

ダレン・オン
ダレン・オンはシンガポール出身の新人で、2025年が初の公式新人シーズンとなった。参加した大会は限られているものの、成果は強烈だ。平均スコアは 222.25、賞金28,800ドル(約400万円)、ポイント 4,570 を獲得しており、特筆すべきは『PBA Viper Championship』の予選でパーフェクトゲームを 3回達成したこと。さらに決勝戦では EJ タケットを破って初タイトルを獲得。シンガポール人として PBAツアーで初のタイトル獲得者となった。
またUSBCマスターズやワールドチャンピオンシップでも上位フィニッシュを重ね、タイトル以外の大会での実力も示している。15位などの好成績が含まれる。
それに加え、限られた試合数ながらも勝利をものにする勝負強さ、そして一発の大きさがダレン・オンの魅力であり、彼が新人王候補に選ばれた最大の理由である。
ヘイデン・スティッピッチ
ヘイデン・スティッピッチは大学時代にボブ・リーン・ジュニアの指導を受けた経験を持ち、テネシー・サザン大学出身。2025シーズンでは平均スコア 212.10、賞金22,288ドル(約330万円)を記録し、新人選手として堅実な成果を積んでいる。5回の賞金入りを含め、トップ25入り、トップ10入りも複数回。
序盤戦では好調な滑り出しを見せ、イリノイ州で開催された大会などで存在感をアピールしたが、ケガや体調不良による影響もあった。リノ市の『Mike Aulby Nevada Classic』大会では棄権も経験しており、いくつかの大会を欠場するシーンも。
それでもUSBCマスターズで25位とメジャー大会での健闘を見せ、困難を乗り越えつつ成長中である。今後の大会で安定性を増せれば、一気に浮上してくる可能性を秘めている。