ボウリング界で注目を集める道上結陽。競技者としての実力はもちろん、ファンとの距離の近さや多彩な活動でも知られている。今回は、JPBA女子プロボウラー澤田春花との出会いや二人での取り組みについてお話を伺った。
もともとは配信アプリを通じて知り合った二人。交流を重ねるうちに自然と信頼関係を築き、ボウリングのチャレンジマッチやイベント、さらには歌の制作まで幅広く一緒に活動するようになった。
今回のインタビューでは、道上が澤田プロとの関係をどのように深め、どんな思いで活動や曲作りに取り組んでいるのか、さらにボウリングインストラクターとしての想いについても語ってもらった。

配信アプリがきっかけ!澤田プロとの意外な出会い
―澤田プロとの出会いについて教えてください。
道上:最近はYouTubeで澤田さんと一緒に動画を撮ることも多いですが、もともとの出会いは配信アプリです。
コロナ禍の真っ最中の時期に、「澤田プロが配信をやってるよ」と知り合いに教えてもらって。その時、私は別のアプリで配信をしていましたが、新しい配信ツールを探していて、「そのアプリいいよ」と勧められたのがきっかけでした。
お互いの配信を見に行くようになって、コメントを交わしながら少しずつ仲良くなりました。
―実際に会ったのはそのすぐあとですか?
道上:最初に会ったのはジャパンオープンです。澤田さんに「出てみない?」と誘ってもらって、それが初めての“対面”でした。
配信で知り合ってからしばらくは一度も会ってなかったんです。当日「初めまして!」って感じで(笑)。みんなに「え、今初めて会ったの?」って驚かれました。
―そんなに長い付き合いではなかったのですね。
道上:そうですね。出会ったのが2020〜2021年頃なので、まだ5年くらいです。でも感覚的には、もうずっと昔からの友達みたいです。小学校からの親友みたいな感じ。本当に気が合うし、性格も真逆すぎてバランスがいいですね(笑)。

動画もイベントも全力で!道上×澤田の多彩なコラボ
―そこから一緒に活動するようになったきっかけは?
道上:配信で知り合ってから少しずつ話す機会が増えていって、勤めていたボウリング場を退職した頃に「これからいろいろ一緒にやっていきたいね」という話になったのが始まりです。
そこからチャレンジマッチを一緒にやったり、YouTubeの撮影をしたり、今ではもう何でも一緒にやっています(笑)。
―動画だけでなく、イベントも一緒に開催しているそうですね。どんな活動をされていますか?
道上:そうです。澤田さんとはボウリングのチャレンジイベントだけではなく、カラオケイベントも一緒にやっています。お客様と一緒にカラオケを楽しむ企画で、2人でイベントを開いて採点勝負をしたりもします。
今までに4回ほど開催していますが、まだ誰もゆんさわ(道上・澤田)に勝った人はいないんですよ(笑)。毎回「次こそ勝つ!」ってリベンジに来てくれる方もいて、すごく盛り上がるイベントになっています。

大切な存在との絆と、二人で生み出す音楽
―道上さんにとって、澤田プロはどんな存在ですか?
道上:本当に大切な存在で、ずっとそばにいてほしい人です。住んでいる場所は少し離れていて車で2時間ほどかかりますが、もし何かあったらすぐに駆けつけるくらい大事な人だと思っています。今はチャレンジの数が減って、会う機会は少し減りましたが、それでも月に1回は必ず会いますね。それでもやっぱり寂しいです。「寂しいよ」ってちゃんと伝えたいです、ハート付きで♡。
―澤田プロと一緒に曲も制作されたそうですね。どんなきっかけで生まれた曲なのですか?
道上:そうです。音源は澤田さんの知り合いの方に作っていただいて、歌詞は私が書きました。もともと「一緒に歌を作りたいね」という話をしていて、やりたいことを順番に形にしていく中で実現した感じです。最初はどんなテーマにするか悩んで、歌詞を当てはめるのにも時間がかかりましたが、「聴いた人が元気になれるような曲にしたい」という気持ちで書きました。
この曲には、実際に応援してくれている方々への感謝の気持ちも込めています。大会でストライクを出した時の拍手や、「頑張れ!」という声援に直接「ありがとう」と言う機会がなかなかないので、その想いを形にしたかったです。
今は2曲目の制作も考えています。1曲目が大会の雰囲気をテーマにしていたのに対して、次は“ボウリングを始めたばかりのワクワク感”をイメージした曲にしたいと思っています。

続けることの大切さを示すために!道上がインストラクター資格を取った理由
―大会出場やイベントもそうですが、確かに道上さんはボウリングのインストラクターでもありますよね。どんなきっかけで資格を取得されたのですか?
もともとボウリング場で働いていたときに、建て替えのリニューアルオープンした店舗でしたが、スタッフの中に実際にボウリングをやっている人が一人もいなかったんです。ネットで調べた情報を印刷して、それを見ながら説明しているだけの状態でした。
そこで会社に「インストラクターの資格を取りたい」と相談しました。おじいちゃんおばあちゃん向けのクラブ教室なども開いていたので、やっぱり誰かがちゃんと知識を持っていないといけないと思って、本格的に資格を取ろうと決めました。
ー実際に資格を取ってからは、指導の仕事もされたのですか?
本格的にクラスを持ったことはないです。資格を取る前は後ろで見たり、一緒に体操をしたりする程度でしたね。資格を取ったのは、実は自分のためでもあるんですが、子どもが二人いて、すぐに諦めてしまうことが多かったんです。だから「何かを諦めずに続けていく姿」を見せたいと思って。自分自身もお手本として、何か一つを極めることの大切さを行動で示したくて資格を取りました。
澤田プロとの活動を通して見えるのは、道上の「人とのつながりを大切にする姿勢」と「挑戦を続ける意志」である。配信やイベント、歌の制作と、多彩な活動を通じてファンに元気を届けている。
ボウリングインストラクターとして資格を取得した背景には、自分自身の成長だけでなく、子どもたちや周囲に「続けることの大切さ」を示したいという強い思いもあった。その姿勢は、競技だけでなく日常のさまざまな場面にも反映されている。
今後も彼女の活動はさらに広がっていくことだろう。道上の笑顔は、これからも多くのファンを楽しませ、勇気を与え続けてくれそうだ。