米国で、存続危機にあったボウリング場を18歳で引き受けた女性の物語が大きな反響を呼んでいる。米メイン州の『Ellsworth Candlepin Bowling Alley(エルズワース・キャンドルピン・ボウリング・アレー)』へのクラウドファンディングには、全米テレビで紹介されたことをきっかけに支援が殺到し、3,000人を超える人々から約25万ドル(約4,000万円)が集まった。
このボウリング場を運営するのは、現在24歳のオータム・モウェリーさんだ。2020年、当時働いていた同施設に買い手が見つからず、取り壊される可能性が浮上。レーンメカニックだったモウェリーさんは、わずか18歳で運営を引き受ける決断をした。
スタートから順風満帆だったわけではない。運営を始めた時期は新型コロナウイルスの感染拡大とも重なったが、古い設備を自ら修理しながら営業を継続。現在では12レーンすべてが稼働し、ゴルフシミュレーターやアーケードゲーム、ビリヤードなども導入するなど、地域の娯楽施設として成長してきた。
同施設で楽しめるのは、日本で一般的な10ピンとは異なる「キャンドルピン・ボウリング」。小さなボールと細長いピンを使用する、米ニューイングランド地方などに根付いたボウリング文化である。施設には歴史のあるピンセッターも残されており、モウェリーさんはメカニックとしての経験を生かしながら設備を維持してきた。
そんな彼女の歩みが8月9日、米CBSの『Sunday Morning(サンデー・モーニング)』で全米に紹介されたことで状況が一変した。放送を見た人々からクラウドファンディングへの寄付が相次ぎ、現地メディアWABIによると、翌10日には支援額が約25万ドルに達した。
集まった資金は、施設のさらなる改善や新たな設備、娯楽の導入などに活用される予定だ。クラウドファンディングも単なる経営危機からの救済ではなく、地域にとって大切な場所を今後さらに成長させていくことを目的としている。
モウェリーさん自身も、CBSでの放送後に寄せられた予想を超える反響に感謝を表明。今後、支援によってボウリング場がどのように変わっていくのかについても、支援者へ伝えていく考えを示している。
買い手が見つからず、取り壊される可能性まであった一つのボウリング場を守った若きレーンメカニック。その決断から始まった挑戦は、地域にキャンドルピン・ボウリングを残しただけでなく、今度は施設をさらに成長させる新たなステージへとつながっている。