昭和のボウリングブームを支えた場所…北海道・深川の旧ホテルが解体へ

深川セントラルボウル

北海道深川市音江町の国道12号沿いで、旧『深川温泉観光ホテル』の解体工事が始まっている。この建物には、かつて地域のボウラーに親しまれた『セントラルボウル』が併設されていた。壁面には今も「CENTRAL BOWL」の文字が残されており、昭和から続いたボウリング場の歴史を物語っている。

深川温泉観光ホテルは1967年11月に開業した4階建ての宿泊施設で、当時は市内最大規模の収容人数を誇った。団体旅行やスポーツ合宿などに利用されていたが、1998年に営業を停止。その後は再開されず、長年にわたって建物が残されていた。

ホテルと同じ時期に誕生したセントラルボウルは、宿泊施設の閉鎖後も営業を続けた。外観は年月とともに老朽化していったものの、施設内ではボウラーたちがプレーを楽しみ、地域の交流の場として親しまれていた。

特に印象的だったのは、開業当初から使用されていた木製レーンだ。閉店当時、北海道内でも数少なくなっていた木製レーンを備え、全16レーンで営業。木ならではの投球音やピンの響きは、長年通い続けたボウラーにとって馴染み深いものだった。

また、深夜まで営業していたことも特徴の一つだった。周辺のボウリング場が営業を終えたあとに訪れる利用者もおり、地元だけでなく近隣地域のボウラーにも利用されていた。常連客同士の交流も盛んで、ボウリングを通じた人と人とのつながりが生まれる場所でもあった。

しかし、新型コロナウイルスの感染拡大による利用者の減少に加え、燃料費などの経費上昇が経営を圧迫。2022年10月31日、セントラルボウルは長年の営業に幕を下ろした。

今回、解体工事が始まったのは旧ホテルの建物であり、ボウリング場部分の解体については明らかになっていない。ただ、壁面に残る「CENTRAL BOWL」の文字は、かつてこの一帯が多くのボウラーでにぎわっていたことを伝える存在だ。

昭和のボウリングブームを知る施設が次々と姿を消していく中、深川市のセントラルボウルも地域のボウリング史に名を残す一軒となった。長年にわたってレーンを守り続けた人々と、そこで投球を楽しんだボウラーたちの記憶は、建物が姿を変えても残り続けるだろう。

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