永野すばるプロのコラム|40歳を過ぎて決断した独立、もう一度優勝するために

永野すばる 写真:Bowling Agent

皆さま、こんにちは。JPBAプロボウラー47期生の永野すばるです。このたび、Bowling Agentでコラムを連載させていただくことになりました。これからボウリングの技術的な話はもちろん、普段の活動やプライベートなこと、そして私自身が感じていることなど、さまざまなテーマについてお伝えしていきたいと思っています。

記念すべき第1回は、今年8月に私が独立を決断した理由と、これからのプロボウラー人生についてお話しします。


40歳を過ぎて、もう一度「優勝」を目指したい

私は2026年8月から、神奈川県相模原市の橋本でプロショップ『SUBARU BOWLING LAB』を経営しています。これまでとは環境が大きく変わりましたが、独立を決めた一番の理由は、プロボウラーとしての活動をもう一度、自分の生活の中心に置きたいと思ったからです。

実は、何年も前から独立について考えていました。プロボウラーとしてトーナメントに出場する以上、やはり結果を残したいですし、競技者としての実績も積み重ねていきたい。その気持ちはずっと変わっていません。

そして40歳を過ぎた今、その思いは以前よりも強くなっています。現役選手として、あと何年戦えるのか。もちろん、できる限り長く投げ続けたいと思っていますが、残された時間が無限にあるわけではありません。これからのプロボウラー人生を考えたとき、どうしても実現したい目標がありました。

それは、もう一度トーナメントで優勝することです。その目標を達成するために、今の自分には何が必要なのか。そう考えたとき、まず変えなければいけないと思ったのが、自分自身の時間の使い方でした。

これまでは仕事との兼ね合いもあり、思うように練習時間を確保できないことがありました。もっとボウリングと向き合いたい、自分の課題に取り組む時間を増やしたい。そうした思いが少しずつ大きくなり、自分でプロショップを経営するという決断につながりました。

もちろん、独立すればすべてが思い通りになるわけではありません。お店を経営する責任もありますし、自分で考えて行動しなければならないことも増えます。それでも、競技者としての目標を優先できる環境を自分の手でつくりたいと思ったのです。


全国のボウラーとつながる『DouBox』

独立後、もう一つ新たに取り組んでいるのが『DouBox(ドウボックス)』というオンラインプラットフォームです。私の考えに賛同してくださった方と2人で運営しており、オンラインでボウリングのレッスンを行える仕組みを取り入れています。

この取り組みを考えるきっかけになったのは、以前ボウリング場に勤務していた頃の経験でした。当時は月に30件ほど個人レッスンを担当しており、北海道や九州など、遠方からわざわざ足を運んでくださる方もいらっしゃいました。

遠くから時間とお金をかけて来てくださることは、本当に嬉しいことです。ただ、その一方で、レッスンを受けたくても距離や時間の問題で来られない方も、きっとたくさんいるのではないかと感じるようになりました。

ボウリングが上達したいという気持ちは、住んでいる地域によって変わるものではありません。それなのに、近くに教えてくれる人がいないという理由で、学ぶ機会が限られてしまうのは、もったいないことだと思います。

そうした経験から、場所にとらわれずに指導を受けられる環境をつくりたいと考えるようになりました。DouBoxは、その思いを形にするための取り組みの一つです。


プロボウラーの新しい働き方を考える

私がDouBoxを通して考えているのは、自分自身がレッスンを行うことだけではありません。ほかのプロボウラーにとっても、新しい活動の場や収入源の一つになればという思いがあります。

ボウリング界では、長年にわたって多くのプロボウラーがボウリング場に勤務したり、所属したりしながら活動してきました。しかし、ボウリング場の閉店などによって、従来のような働き方が難しくなっている面もあると感じています。

一方で、新しいプロボウラーは毎年誕生しています。プロ資格を取得したあと、どのような環境で活動を続けていくのか。これは選手一人ひとりにとって、大切な問題ではないでしょうか。

だからこそ、これからはプロボウラーにも、もっといろいろな活動の形があっていいと思っています。トーナメントで結果を残すことを目指す選手もいれば、指導に力を入れる選手もいる。それぞれが自分の得意なことを生かし、ボウリングを仕事として続けていける環境が広がれば、業界全体にとってもプラスになるはずです。

オンラインでの指導は、そうした選択肢の一つになると考えています。もちろん、直接会って教えることにも大きな価値がありますが、さまざまな指導方法が共存することで、プロボウラーにもアマチュアボウラーにも新しい可能性が生まれるのではないでしょうか。


ボウリング界をもっとつなげていきたい

私が目指しているのは、プロボウラーだけでなく、ボウリング場やメーカー、スポンサー、そしてファンの皆さまが、今まで以上につながっていける環境です。

ボウリング場があって、そこで投げる人がいて、用具をつくるメーカーがあり、プロボウラーの活動を支えてくださる方がいる。どれか一つだけで成り立つものではなく、みんなが関わり合うことでボウリング界は支えられていると思います。

競技に真剣に取り組みたいと思っても、身近に学べる環境がない人もいるかもしれません。そうした人たちが自分に合った指導を受けられるようになれば、技術の向上だけでなく、競技を続けるきっかけにもつながると思います。

そして、ボウリングに取り組む人が増えれば、ボウリング場やプロショップ、メーカーなどにも良い影響が広がっていくかもしれません。私が今取り組んでいることも、そんな循環を生み出す小さなきっかけになれば嬉しいです。

もちろん、すぐに大きな変化が生まれるとは思っていません。それでも、今までとは違う方法にも挑戦しながら、ボウリング界全体が少しずつ盛り上がっていくことを願っています。


もう一度、頂点に立つために

いろいろな取り組みを始めていますが、私自身が今、一番大切にしている目標は変わりません。それは、もう一度トーナメントで優勝することです。

40歳を過ぎてからの独立は、私にとって大きな決断でした。でも、まだまだ競技者として挑戦したいことがありますし、自分の可能性を諦めたくありません。そのために必要な環境を整え、一日一日を大切にしながら、これからもボウリングと向き合っていきたいと思っています。

そして、自分自身が結果を残すことだけでなく、これまでボウリングに育ててもらった恩を、少しでも業界に返していけたら嬉しいです。競技者として挑戦を続けながら、自分にできることを少しずつ増やしていきたいと思っています。

これからこのコラムでは、技術的な話やトーナメントで感じたこと、普段はなかなかお伝えする機会のない話なども紹介していく予定です。皆さまに楽しんでいただける連載にしていきたいと思っていますので、今後ともよろしくお願いいたします。

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