ドイツ・ミュンヘン近郊で開催されている『IBFワールドカップ2026』で、男子シングルスの予選が深夜までずれ込み、最終試合が午前2時過ぎに終了する異例の事態となった。選手からは競技環境への不満が上がる一方、国際ボウリング連盟(IBF)は複数の要因が重なったことを説明している。
問題となったのは、10月14日に行われた男子シングルスのグループB・プール3と4の予選だ。当初は20時10分に開始する予定だったが、大会初日から進行に遅れが生じ、実際に競技が始まったのは22時30分。予定より2時間20分遅いスタートとなり、全試合が終了したのは日付が変わった15日の午前2時15分ごろだった。
この時間帯に出場した選手の一人は、匿名を条件に取材に応じ、開始時刻と終了時刻について「まったく受け入れられない」と強く批判。通常の日中に競技する選手と比べ、十分な実力を発揮できる条件が整っていなかったと訴え、世界大会でこのような状況が起きるべきではなかったとの考えを示した。
一方、同じ深夜の予選を戦ったイスラエル代表のヤーリ・ラピドは、異なる見方を示している。予想外の遅延が分かると、チームメートの競技終了後にホテルへ戻って仮眠を取り、体調を整えたという。アドレナリンの影響もあって競技中は疲労を感じず、集中力を維持できたと振り返った。
ラピドは、日中に投球する選手との公平性についても、同じ時間帯に競技する選手同士で対戦する方式であり、アベレージによって順位が決まるわけではないとして、不利だったとは考えていないと説明した。自身はプール3で21ポイントを獲得し、6位で予選を終えている。
厳しいスケジュールの中でも圧倒的な結果を残したのが、スウェーデン代表のイェスパー・スヴェンソンだ。PBAツアーでも活躍する左投げのスター選手は、11戦全勝で33ポイント満点を獲得し、男子シングルスのベスト32進出を決めた。
スウェーデン代表のロベルト・アンデション監督は、22時30分から午前2時15分まで投球するのは非常に特殊な経験だったと認めながらも、チームは目の前の競技に集中していたと説明。スヴェンソンについても、プロフェッショナルとして状況を受け入れていたと評価した。
今回の遅延について、IBF副会長のマリオス・ニコライデス氏は、過密な競技スケジュール、試合進行の遅さ、運営上および技術的な問題が複合的に影響したと説明した。また、選手や代表チームの監督から、深夜の競技終了に関する正式な苦情は受けていないとし、参加者の理解と忍耐、プロフェッショナルな対応に感謝を示した。
世界各国の代表選手が集まり、最高のパフォーマンスを競うIBFワールドカップ。深夜の試合でも結果を残した選手がいる一方、競技時間への受け止め方は分かれている。今回の事態は、国際大会におけるスケジュール管理と、選手が実力を発揮できる競技環境の重要性を改めて浮き彫りにした。