米国のプロボウラーズ協会(PBA)は10月6日、経営・マーケティング部門の強化に向け、新たに2人の幹部を起用したと発表した。ジェフ・レッサー氏がグローバル・ブランドパートナーシップ担当副社長、エリック・トドロフ氏がシニア・ブランドマーケティングマネージャーに就任。スポンサーシップの拡大やデジタル戦略の強化を通じて、プロボウリングの世界的な認知度向上と新たなファンの獲得を目指す。
今回の人事は、PBAを所有するラッキーストライク・エンターテインメントと共同で発表されたものだ。両氏はPBAのピーター・マレー最高経営責任者(CEO)の直属となり、競技団体としての発展だけでなく、スポーツビジネスとしての収益基盤を拡大する役割を担う。
レッサー氏は、PBAとラッキーストライクが展開する「OnLocation」事業において、世界規模のスポンサー契約、メディア広告の販売、ライセンス事業などを統括する。これまで商業施設を運営する米マセリッチで事業開発担当副社長を務め、年間約2億7,500万人が訪れる40以上の商業施設を対象に、広告やスポンサー事業の収益化を推進してきた。
また、シェアオフィス大手WeWorkでは初のブランドパートナーシップ部門を立ち上げ、米国とカナダの200以上の拠点を活用した企業との提携事業を展開。さらに、NFLのマイアミ・ドルフィンズやNBAのブルックリン・ネッツなど、プロスポーツ関連の組織でも経験を積んでいる。PBAはこうした実績を生かし、競技大会や映像コンテンツの商業的価値を高めたい考えだ。
一方、トドロフ氏はPBAのデジタルチャンネルを通じたファンとの交流促進や、オンラインでの存在感を高める取り組みを担当する。過去にはNFLのマイアミ・ドルフィンズ、MLBのマイアミ・マーリンズ、大学スポーツなどのマーケティングに携わり、SNS運用やコンテンツ制作、データ分析を活用した戦略に取り組んできた。
トドロフ氏は、世界中の人々にPBAの魅力を伝えるコンテンツを充実させ、新しいファン層を開拓することに意欲を示している。従来のボウリングファンだけでなく、デジタルメディアを通じて競技に触れる若い世代などにも、その魅力を届けることが期待される。
マレーCEOは、レッサー氏のスポーツ関連事業の収益化や企業提携における実績と、トドロフ氏のブランド構築やデジタル分野での経験を高く評価。両氏の起用がPBAのブランド価値を向上させ、世界規模で競技を成長させるうえで重要になるとの考えを示した。
PBAは1958年に設立され、現在は30か国以上の選手が所属する世界有数のプロボウリング団体となっている。PBAツアーをはじめ、地域大会やシニア大会、ジュニア向けプログラムなどを展開し、テレビ放送や動画配信サービスを通じて世界中のファンに競技を届けている。
PBAを所有するラッキーストライク・エンターテインメントも、北米で360以上の娯楽施設を展開する大手企業だ。今回の人事は、こうした施設運営事業とプロスポーツ、メディア事業の連携をさらに強化する動きとしても注目される。
レッサー氏は、すでに多くの人が楽しんでいるボウリングを、さらに多くの人が観戦し、応援し、参加したいと思うスポーツへと発展させる考えを示した。競技人口の大きさをプロ大会の視聴者増加やスポンサー収入の拡大につなげられるかが、今後の課題となる。
新たな経営陣を迎えたPBAが、競技の魅力をどのように発信し、世界のスポーツ市場で存在感を高めていくのか。今回の体制強化は、プロボウリングの将来を左右する取り組みの一つとなりそうだ。