3Dプリンターがボウリングを変える?障がい者向け補助ツールが誕生

ハウスボール 写真:Marc Mueller/提供:Unsplash

アメリカ退役軍人省(VA)が、3Dプリンターで製作したボウリングスティックを公開し、ボウリング界でも注目を集めている。この器具は、上肢に障がいのある退役軍人でも、より自立してボウリングを楽しめるよう開発された補助器具で、従来のアダプティブ用具が抱えていた課題の改善を目指している。

開発のきっかけとなったのは、メリーランド州のペリー・ポイントVAメディカルセンターで活動するレクリエーションセラピストの提案だった。既存の補助器具は介助者のサポートが必要になる場面が多く、耐久性や操作性にも課題があったことから、VAの先進製造部門が3Dプリンターを活用し、利用者の声を取り入れながら新たなボウリングスティックを設計した。

このボウリングスティックは、先端でボールを押し出すシンプルな構造を採用。一般的なハウスボールやマイボールをそのまま使用でき、毎回ランプ(補助台)を設置する必要がないため、利用者がより自立してプレーできるのが大きな特徴だ。軽量で持ち運びもしやすく、ボールコントロールの向上や使いやすさも追求されている。

実際に使用している退役軍人で、元アメリカ空軍中佐のフランシン・グッドさんは、「ボウリングスティックのおかげでボールをよりコントロールしやすくなり、とても使いやすい」とコメント。従来使用していた伸縮式ハンドル付きの補助器具より扱いやすく、ボウリングを続ける大きな支えになっていると語っている。

開発に携わったVAのジェフ・フランカート氏は、「多くの退役軍人に、これまで以上の自立性をもたらすことができる。障がいの程度にかかわらず、多くの人が一般的なボールを使ってプレーできるようになる」と説明。身体機能の回復だけでなく、スポーツを通じた健康維持や社会とのつながりを支えるツールとしても期待を寄せている。

3Dプリンターによるカスタムメイド技術は、近年スポーツや医療分野で急速に活用が進んでいる。今回のボウリングスティックも、その技術が競技への参加機会を広げる好例の一つとなった。ボウリングを「誰もが楽しめるスポーツ」にするための新たな一歩として、今後ほかの国や地域への普及にも注目が集まりそうだ。

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