大会はMKグループが主催し、日本プロボウリング協会(JPBA)が公認。京都市、京都府、JAPAN BOWLING、日本ボウラーズ連盟、日本ボウリング場協会などが後援し、多くの企業が協賛する形で開催された。
大会要項には、収益金の一部に加えてJPBA、協賛各社からのチャリティ金を障がい者の福祉向上に役立てることが明記されている。トッププロがタイトルを争う公式トーナメントであると同時に、ボウリングを通じて生まれた力を社会へ還元する。その二つを両立してきたことが、19回にわたり続いてきたMKチャリティカップの大きな特徴でもある。
大会では競技だけでなく、シードプロ上位選手らがチャリティオークションのためにグッズを提供する取り組みも行われた。選手、主催者、協賛企業、そして会場を訪れるファン。それぞれの参加が競技だけで終わらず、チャリティへとつながっていく大会となった。
男女が同じ舞台で戦う3日間
今年のMKチャリティカップには男子プロ90名、女子プロ90名に加え、男女のアマチュア選手も参加。男女とも予選10ゲームを戦い、それぞれ上位32名だけが最終日の準決勝へ進むフォーマットで行われた。さらに予選、準決勝では男子と女子が同一BOXで投球することも今大会の特徴の一つだ。
初日の17日は予選前半5ゲームが行われ、男子は安里秀策(59期/㈱コロナワールド)が1,227ピン、AVG245.40でトップに立った。福原尊(63期/㈱コロナワールド)が1,223ピン、今年のコロナワールドカップ男子新人戦を制した斎藤祐太(61期/株式会社ボウルスター)が1,216ピンで続き、初日からハイスコアでの争いとなった。
女子ではアマチュアの田口みちる(名古屋グランドボウル)が1,136ピン、AVG227.20で首位発進。内田雪月(54期/フリー)がわずか1ピン差の1,135ピン、飯田菜々(48期/サンスクエアボウル)が1,128ピンで3位につけた。この時点ではまだ5ゲーム。最終的な男女の勝者は、トップに名前を連ねていなかった。
予選後半で動いた順位、藤永と飯田がトップへ
18日の大会2日目には予選後半5ゲームが行われ、10ゲームの総合成績によって男女各32名の準決勝進出者が決定した。男子で一気にトップへ浮上したのが、初日4位につけていた藤永北斗だった。
藤永は後半5ゲームでも1,218ピン、AVG243.60をマークし、10ゲームトータル2,423ピン、AVG242.30まで伸ばして予選トップ通過。2位には斎藤祐太が2,376ピン、3位には永野すばる(40期/フリー)が2,367ピンで続き、初日トップだった安里は2,363ピンの7位で準決勝へ進んだ。
女子も首位が入れ替わった。初日3位だった飯田菜々が10ゲーム2,207ピン、AVG220.70まで伸ばしてトップ通過。初日首位の田口も2,202ピンと踏ん張り、わずか5ピン差の2位につけた。石田万音(55期/アルゴセブン/HI-SP)が2,184ピンで3位に入り、優勝争いの行方が見えないまま最終日を迎えた。
32人から8人、そして最後の3人へ
19日の最終日は、それまでとは競技の性格が大きく変わった。男女各32名による準決勝5ゲームでは予選10ゲームのスコアを持ち越し、通算15ゲームの上位8名だけが決勝ラウンドロビンへ進出。さらに8名による直接対決を経て、TV決勝ステップラダーに残れるのは男女それぞれわずか3名となる。
男子は最終的に藤永北斗がトップシードを守り、佐藤貴啓(57期/ドリームスタジアム太田)が2位、畑秀明(64期/ABS)が3位でTV決勝へ進出。予選トップだった藤永が、長丁場を戦いながら最後の3人まで首位を守り続けた。
女子では桑藤美樹がトップシードを獲得し、石田万音、飯田菜々とともにステップラダーへ進出した。予選トップだった飯田が最後の3人まで残った一方、桑藤は予選11位から最終日に一気に順位を上げてきた。男子と女子では、まったく異なる形で優勝決定戦への道が作られていった。
パーフェクトも達成、藤永北斗が首位を守り切る
男子TV決勝3位決定戦では佐藤貴啓と畑秀明が対戦し、佐藤が218-185で勝利。トップシードで待つ藤永への挑戦権を手にした。
優勝決定戦では佐藤が187でゲームを終えたのに対し、藤永は中盤以降にストライクを重ねて233をマーク。233-187で勝利し、第19回MKチャリティカップ男子優勝を決めた。
藤永はこれで今季2勝目、通算6勝目。今季は「Glicoセブンティーンアイス杯」に続くタイトル獲得となった。さらに今大会では予選Aシフト3ゲーム目にパーフェクトゲームも達成している。
予選10ゲームをトップで突破し、準決勝、決勝ラウンドロビンを経てもトップシードを守り、最後はTV決勝でも勝利。パーフェクトゲームという記録まで残し、3日間を通して強さを見せ続けた大会となった。
予選11位から大逆転、桑藤美樹が10年ぶりV
女子は男子とは対照的な展開となった。最終的に優勝する桑藤美樹は、予選10ゲームを2,125ピンの11位で通過。トップから追いかける立場で最終日を迎えたが、準決勝、決勝ラウンドロビンで順位を押し上げ、TV決勝ではトップシードまで駆け上がった。
3位決定戦では石田万音と飯田菜々が対戦。予選トップだった飯田に対し、石田が202-191で勝利し、桑藤との優勝決定戦へ進んだ。
しかし、最後の1ゲームで桑藤が圧巻の投球を見せた。石田が192でフィニッシュしたのに対し、桑藤はストライクを重ねて268をマーク。268-192で最終決戦を制し、第19回大会の女子チャンピオンに輝いた。
桑藤は今季初優勝で通算4勝目。MKチャリティカップでは2016年の第11回大会以来、実に10年ぶりの優勝となった。予選11位から最終日に順位を上げ、最後は268で締めくくる。3日間を通して勝ち上がるトーナメントだからこそ生まれた逆転劇だった。
アマチュア勢もプロに食い込み上位へ
プロトーナメントでありながら、アマチュア選手がトッププロと同じ舞台で競い合うこともMKチャリティカップの見どころとなった。特に男子では、最終順位のトップ8に3人のアマチュアが入る健闘を見せた。
原理人が総合4位でベストアマを獲得し、紺谷涼太が7位、長谷川星凪が8位。TV決勝進出まであと一歩に迫る選手も現れ、プロを相手に存在感を示した。
女子では渡辺莉央が総合15位でベストアマを獲得。初日に首位、予選終了時にも2位につけて大会を沸かせた田口みちるが総合13位、澤野涼が総合20位に入った。プロとアマチュアが同じコンディション、同じ順位表の中で競い、その中から上位へ食い込む選手が現れたことも今大会を彩った。
勝者を決めるだけではない「MKチャリティカップ」
男子優勝の藤永には賞金に加えてトヨタ「ヤリスハイブリッド」、女子優勝の桑藤には日産「ノート e-POWER」が副賞として贈られるなど、男女とも賞金総額520万円が設定された第19回大会。しかし、MKチャリティカップが19回にわたって掲げ続けている価値は、競技としての部分だけではない。
観客が会場を訪れること、企業が大会を支えること、選手がチャリティオークションへグッズを提供すること、そしてプロとアマチュアが同じレーンに立つこと。大会に関わるさまざまな人たちの参加が、ボウリングというスポーツを通じて社会への支援へとつながっていく。
藤永北斗が予選トップから最後まで首位を守ってつかんだ今季2勝目。一方の桑藤美樹は予選11位から最終日に駆け上がり、10年ぶりとなるMKチャリティカップ制覇を成し遂げた。その周囲では多くのプロ、アマチュア、ファン、企業、スタッフが大会を支え、19回目の舞台を作り上げた。
勝者を決めるだけではなく、ボウリングを通じて生まれた力を社会へつなげる。大会名に掲げられた「チャリティ」とともに、第19回MKチャリティカップは3日間の幕を閉じた。