世界の強豪がストリングピンで激突!IBFワールドカップ2026、日本代表は不参加

国際ボウリング連盟(IBF)

世界各国の代表選手が集結する『IBFワールドカップ2026』が、10月12日から21日までドイツ・ミュンヘン郊外のブルンタールで開催される。2022年のオーストラリア、2025年の香港に続く第3回大会で、ヨーロッパでの開催は今回が初めて。世界48の国・地域の連盟から292人が参加し、男女のシングルスとチーム戦で世界一を争う。一方、今大会に日本代表は参加せず、世界の強豪国が集まる舞台に日本選手の姿がないのは残念なところだ。

今回の大会でもう一つ大きな注目を集めるのが、競技会場にストリングピン方式のピンセッターが採用されていることだ。会場となるMax Munich Bowlingの全30レーンには、QubicaAMF製の『EDGE String』が設置されている。世界規模の国際大会が従来のフリーフォール方式ではなく、ストリングピン方式で行われることは珍しく、選手たちが異なるピンアクションにどう対応するのかが注目される。

ストリングピンとは、10本のピンそれぞれに細いひもが取り付けられ、ひもを使ってピンを持ち上げ、再配置する方式だ。従来のフリーフォール方式では、ピンは固定されておらず、ボールやほかのピンとの衝突によって自由に飛び散る。しかし、ストリングピンではひもがピンの動きに影響するため、同じ場所にボールが当たっても、ピンの倒れ方が異なる場合がある。

特に違いが表れやすいのが、倒れたピンが別のピンを倒す二次的なピンアクションだ。通常のボウリングでは、ピンデッキを横切ったピンが離れた位置のピンを倒す「メッセンジャー」がストライクにつながることがある。一方、ストリングピンではひもの影響によってピンの移動範囲や方向が変わり、従来なら倒れていたピンが残る可能性がある。

反対に、ひもが別のピンに接触することで、通常とは異なる倒れ方が生じる場合もある。ストリングピンだから必ずストライクが出にくくなるというわけではなく、従来方式とは異なる要因がピンアクションに加わることが特徴だ。競技用として認証されたストリングピンセッターも登場しているが、ピンの動きが完全に同じになるわけではない。

こうした違いは、世界トップレベルの選手にとっても無視できない要素となりそうだ。高い精度でポケットを狙う選手は、ボールの入射角やピンの飛び方を確認しながら投球ラインを調整する。特に10番ピンや7番ピンの残り方、薄めや厚めに入った際のピンアクションは、ストライク率を左右する重要な情報となる。フリーフォール方式で積み重ねてきた経験が、そのまま当てはまらない場面も考えられる。

さらに、ストリングピンでの競技経験には選手ごとに差があるとみられる。普段からストリングピンのレーンで練習している選手と、従来方式を中心に投球している選手では、ピンの倒れ方に対する感覚や対応の速さが異なる可能性がある。世界大会という緊張感のある舞台で、こうした経験の差が勝敗に影響するのかも興味深い。

今回の大会では、レーンコンディションも選手の対応力を試す。オイルパターンは44フィート、オイル量29.2mL、オイル比率2.09対1に設定されている。選手たちは難しいレーンコンディションへの対応に加え、ストリングピン特有のピンアクションも把握しながら投球を組み立てなければならない。

大会方式も、一つのミスが結果を左右しやすい。シングルスの予選では1ゲームごとの直接対決による総当たり戦が行われ、決勝トーナメントは3ゲーム2勝先取で勝敗が決まる。チーム戦は4人が交代でフレームを担当するベーカー方式を採用し、決勝トーナメントでは5ゲーム3勝先取となる。短い対戦の中では、わずかなピン差やストライクの有無が勝敗に直結するだけに、ピンアクションの違いが重要な局面で影響する可能性もある。

大会にはアメリカ、マレーシア、中国、シンガポール、スウェーデン、デンマーク、オーストラリア、開催国ドイツなどの強豪国が参加する。前回2025年の香港大会では、男子シングルスを中国の杜建超、女子シングルスをマレーシアのナターシャ・ロスランが制覇。チーム戦では男子がマレーシア、女子がアメリカの優勝となった。今回も各国の有力選手が世界タイトルを懸けて激突する。

ストリングピンは、ピンセッターの構造が比較的シンプルで、維持管理の負担を抑えやすいという利点がある。その一方、競技ボウリングでは従来方式とのピンアクションの違いが議論されてきた。今回のような大規模な国際大会で採用されることは、今後の競技環境を考えるうえでも注目すべき動きといえる。

もちろん、ストリングピンの採用だけで波乱が起こるとは限らない。世界のトップ選手には、異なるレーンコンディションや競技環境に対応する高い技術がある。それでも、慣れ親しんだピンアクションとの違いが、勝敗を分ける場面は十分に考えられる。

ヨーロッパ初開催、日本代表不参加、そしてストリングピン方式での世界一決定戦。2026年のIBFワールドカップは、これまでとは異なる注目点を持つ大会となった。各国の代表選手がどのように対応し、どのようなピンアクションが勝負を決めるのか。ミュンヘンで繰り広げられる戦いから目が離せない。

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