ボウリングが賭けの対象に?PBAが2027年にスポーツベッティング事業へ参入を計画

ピーター・マレー 写真:PBA

米国のプロボウリング協会(PBA)が、2027年にボウリングを対象としたスポーツベッティング(賭け)のプラットフォームを立ち上げる計画を明らかにした。PBAの最高経営責任者(CEO)を務めるピーター・マレー氏がインタビューで語ったもので、世界規模での展開を視野に入れているという。実現すれば、プロボウリングの試合結果などを対象とした賭けが、PBAの事業として本格的に展開されることになる。

マレーCEOは、2027年にPBAとして初となるベッティング商品のプラットフォームを立ち上げ、グローバルに展開する方針を示した。スポーツベッティングとは、スポーツの試合結果や選手の成績などを予想し、金銭を賭ける仕組みである。米国では2018年に連邦最高裁判所がスポーツ賭博を事実上禁止していた連邦法の一部を違憲と判断して以降、各州の判断によって合法化が進んできた。

PBAが注目しているのは、ボウリングには年間を通じて数多くの試合が存在するという特徴だ。PBAツアーの決勝戦だけでなく、予選ラウンドやプレーオフ、各地区で開催されるリージョナルツアーなど、さまざまな競技をベッティングの対象として活用できる可能性がある。

マレーCEOは、PBAワールドチャンピオンシップへとつながるプレーオフに加え、各大会の決勝進出を争う予選やリージョナル大会にも言及。こうした豊富な試合数が、ベッティング事業を成立させるうえで重要な要素になるとの考えを示している。

PBAは以前からスポーツベッティングへの参入を検討していた。2026年5月には、スポーツ賭博事業者に競技データを提供するライセンス事業を、新たな収益源として模索していることが報じられていた。今回の発言は、そうした構想が2027年のプラットフォーム立ち上げという、より具体的な計画へと進んでいることを示すものだ。

ただし、実際にどのような賭けが可能になるのかは明らかになっていない。大会の優勝者を予想する形式なのか、個々の対戦結果やスコアなども対象になるのか、具体的な仕組みについては説明されていない。また、運営を担当する企業や提携先、サービスを利用できる国・地域についても発表されていない。

世界規模での展開を目指すとはいえ、各国でスポーツ賭博に関する法律や規制は異なる。日本では、海外で合法的に運営されているオンライン賭博サービスであっても、日本国内から金銭を賭ける行為は原則として違法となる。そのため、PBAがグローバル展開を計画しているからといって、日本のボウリングファンが合法的に利用できるようになるわけではない。

また、ボウリングへの賭けが本格化すれば、競技の公正性をどのように確保するかも重要な課題となる。特に、予選やリージョナル大会など幅広い試合が対象になる場合、不正な賭けや八百長、選手への不当な働きかけなどを防ぐ仕組みが求められる。現時点では、PBAがどのような監視体制や不正防止策を導入するのかについても具体的な説明はない。

一方、マレーCEOは女子ボウリングの新たな競技構想についても言及した。『PBAW』と呼ばれる女子向けの新シリーズを2027年に立ち上げる可能性があるという。男子と同じイベントの中で女子選手も競技する形を想定しており、勝てば次のラウンドに進み、負ければ敗退する方式を構想している。

ただし、女子選手が男子選手と直接対戦するのか、同じ大会内で男女別の競技を実施するのかは明らかになっていない。また、現在の女子プロボウリング協会(PWBA)との関係についても説明されておらず、既存の女子ツアーとどのように共存するのかが注目される。

PBAは2027年に向けて放送体制の拡充も進めており、The CW、ESPNアプリ、CBS、Paramount+、CBS Sports Networkなどを通じて、計30のライブイベントを予定している。6月には33選手によるプレーオフ方式の大会が組まれ、PBAワールドチャンピオンシップへとつながる新たな競技形式が導入される予定だ。

テレビ放送の拡大、新たな女子シリーズの構想、そしてスポーツベッティング事業への参入。PBAは競技団体としての枠組みを超え、ボウリングをより大きなスポーツエンターテインメント事業へと発展させようとしている。

中でも、ボウリングの試合を金銭を賭ける対象として本格的に扱う計画は、競技の商業化という点で大きな転換となる可能性がある。新たなファン層の獲得や収益拡大が期待される一方、競技の公平性や選手の保護など、解決すべき課題も少なくない。2027年のサービス開始に向けて、具体的な運営方法や規制への対応がどのように発表されるのか、今後の動向が注目される。

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