2025年8月20日にスタートしたBowling Agent(ボウリング・エージェント)は、2026年8月20日で開設から1周年を迎えた。この1年間、国内外のボウリング界ではさまざまな出来事が起きた。競技の根幹にも関わるウレタンボールの規制、長年愛されてきたブランドの終焉、ボウリングを題材としたアニメの放送、そして投球を数値化する新技術の登場。一方で、世界のトップで活躍していた選手との突然の別れという悲しい出来事もあった。
Bowling Agentがこの1年間で伝えてきたニュースの中から、ボウリング界に大きなインパクトを与えた6つの出来事を振り返る。

ウレタンボールを巡り世界が揺れた。競技ルールの大転換
この1年で、競技ボウリングに最も大きな変化をもたらしたテーマの一つがウレタンボールを巡る規制だ。
大きな動きが表面化したのは2025年9月。USBCが低吸油性ボールを対象とする新たな硬度基準を発表し、78Dという数字がボウリング界で大きな意味を持つようになった。PBAも2026年シーズンに向けた方針を示した一方、ジェイソン・ベルモンテがUSBCの決定に強い疑問を呈するなど、トップ選手を巻き込んだ議論へと発展した。
欧州では一時、EBTで採用されていた78Dルールを2026年から撤廃する方針が示されるなど、世界で対応が分かれる状況も生まれた。
しかし2026年に入ると流れは再び大きく動く。IBFが国際大会におけるウレタンボールの新たな硬度基準を打ち出し、欧州各国やオーストラリアなど世界の協会が次々と対応。日本でもJBが規制へ動き、ボール選択そのものに影響する世界的なルール変化となった。
さらにUSBCは2026年、7大会で2,600個以上のボールを測定する大規模なフィールドテストを実施。ウレタン問題は単なる賛否の議論から、実際のデータをもとに今後の基準を模索する段階へ入っている。
この1年で最も長く、そして世界中のボウラーを巻き込んだテーマだったと言えるだろう。

ボウリングがアニメに!『Turkey!』が一般層へ届けた新たな魅力
2025年夏、ボウリング界とは少し違う場所から大きな話題が生まれた。オリジナルTVアニメ『Turkey!』の放送だ。
女子高校生のボウリング部を題材としながら、戦国時代へのタイムスリップを組み合わせるという異色のストーリーは、第1話から大きな反響を呼んだ。
Bowling Agentでは放送終了後、工藤進監督と大松裕プロデューサーへの独占インタビューも実施。制作側が目指していたのは競技としてのボウリングだけではなく、「人と人をつなぐスポーツ」としての魅力を伝えることだった。
その後、『Turkey!』は読者アンケートで2025年のオリジナルアニメ満足度1位にも選出された。普段ボウリングに触れる機会のないアニメファンにも「ボウリング」という言葉を届けた意味で、この1年を象徴する文化的な出来事だった。

伝説のColumbia 300が終了。一つの時代に幕
用品業界では、長年ボウラーに親しまれてきたColumbia 300(コロンビア300)のブランド終了が大きな衝撃を与えた。
Bowling Agentでは2025年12月、PBAの2026シーズン製品登録からColumbia 300が外れたことを報道。そして2026年3月、ブランドがその歴史に幕を下ろすことが明らかになった。
最後を飾ったのは、北米限定わずか300個の「Pulse Hybrid」。単なる新製品ではなく、長い歴史を締めくくる“最後の1球”となった。
数々の名作ボールを世に送り出してきたブランドが姿を消すニュースは、用品業界だけでなく、Columbia 300とともに競技人生を歩んできた多くのボウラーに「一つの時代の終わり」を感じさせた。
感覚から「データ」へ。投球分析技術が急速に進化
ボウリングの未来を感じさせたのが、投球をデータで分析する新技術の登場だ。
2026年6月、Bowling Agentではリトアニア企業Witseeが開発した小型センサーを紹介した。ボールの指穴に装着することで、回転数、軸傾き、軸回転、リリーススピードなどを取得し、投球を3Dデータとして可視化する技術だ。
さらに翌7月にはSTORMがF5 Bowlingとのパートナーシップを発表。こちらもセンサーを使ってスピードや回転数、軸回転、軸傾きなどを一投ごとに記録できる。
これまで選手やコーチの感覚、あるいは映像分析に頼る部分が大きかったリリースが、具体的な数字として見える時代へ。ボウリングの練習方法やコーチングが大きく変わる可能性を感じさせる出来事だった。

Hammerなど3ブランドが移動。日本の用品市場に激震
日本国内でも用品業界の勢力図を変える大きな動きがあった。
長年レジェンドスターが取り扱ってきたHammer、Ebonite、Trackの3ブランドがサンブリッジへ移行。3月に情報が広がると業界内に驚きが走り、4月7日にサンブリッジが正式発表した。
これにより同社は従来のBrunswick、Radical、DV8に3ブランドを加え、計6ブランドを取り扱う新体制へ。レジェンドスターでは長年契約していたプロボウラーを含め契約終了も相次ぎ、その後同社はオンライン直販「LS DIRECT」を始動するなど、新たな方向へ動き出した。
単なるブランドの販売元変更ではなく、日本のボウリング用品市場そのものが動いた出来事だった。

32歳で突然の別れ。ジェイコブ・バターフ逝去
そして、この1年で最も悲しいニュースの一つとなったのが、PBAジェイコブ・バターフさんの訃報だった。
2026年8月、スポンサーだったHammerをはじめ、多くの選手や関係者から訃報が伝えられ、世界のボウリング界に衝撃が走った。32歳というあまりにも早すぎる別れだった。
独特な左投げのスタイルで世界中のファンを魅了し、PBAツアー通算8勝。2019年にはメジャーのUSBCマスターズを制し、国際舞台でも2017年QubicaAMFワールドカップ優勝、2022年IBF世界選手権団体金メダルなど数々の実績を残した。
Bowling Agentが訃報を伝えた記事にも大きな反響が寄せられた。タイトルや勝利数だけでは語り切れないほど、多くのボウラーに強烈な印象を残した選手だった。
32年間の人生はあまりにも短かった。それでも、バターフさんが世界のレーンに残した記憶と功績は、これからもボウリングファンの中で生き続けていく。
Bowling Agentが見てきた1年。そして2年目へ
ルールが変わり、ブランドが消え、新しい技術が生まれた。アニメを通じてボウリングがこれまでとは違う層へ届く一方、世界を代表する選手との突然の別れもあった。
この6つだけでも、2025年8月から2026年8月までのボウリング界がどれほど大きく動いたのかが分かる。
Bowling Agentがスタートしてから1年。これからも日本国内だけではなく、世界各地で起きているニュース、新しい技術や用品、そしてボウリングに人生を懸ける選手たちの姿を伝えていきたい。
2年目のボウリング界では、どんな歴史が生まれるのだろうか。