なぜウレタンボールを禁止?マレーシア協会が理由を明確化

マレーシア・テンピンボウリング協会(MTBC)

マレーシア・テンピン・ボウリング・コングレス(MTBC)が、主催大会における高性能ウレタンボールの使用禁止について公式声明を発表し、その判断に至った理由を明らかにした。

MTBCが対象としているのは、オイル吸収速度が遅い高性能ウレタンボール。米国ボウリング協会(USBC)が実施した研究や技術専門家、コーチ、トップ選手との協議、世界的な動向やマレーシア国内のレーンコンディションなどを検討した結果、MTBCおよび傘下の州協会が開催するすべての大会で、こうしたウレタンボールの使用を即時禁止すると決定した。

今回の判断についてMTBCは、大きく2つの理由を挙げている。一つ目が「競技の公平性と健全性を守ること」だ。MTBCは、オイル吸収速度が遅い高性能ウレタンボールについて、レーン上のオイルパターンをより急速に変化させる可能性があると説明。大会側が意図したレーンコンディションを崩し、選手間で公平ではない状況を生み出す可能性があるとしている。

さらに問題視しているのが、ウレタンボールの経年変化だ。時間の経過とともに状態が変化する可能性があり、自然な経年劣化なのか意図的な加工なのかを区別することが難しいとしている。大会会場で継続的な検査を行うことも現実的ではなく、IBFルールで認められた基準を下回っていることが判明したケースもあるという。こうした事情から、競技の公平性を守るためには使用禁止が最も明確な方法だと判断した。

もう一つの大きな理由が、「選手の長期的な育成」だ。MTBCは、特に若い選手がウレタンボールのコントロールしやすいリアクションに依存することを懸念している。ウレタンを補助的な手段として使用することで、リアクティブボールを使いこなすために必要となるアクシスローテーション、スピードコントロール、アングル調整といった技術の習得を妨げる可能性があるとの考えを示した。

つまり今回の禁止は、単にボールの硬度や性能だけを問題にしたものではない。大会の公平性を守ると同時に、選手がさまざまなコンディションへ対応できる技術を身につけ、国際舞台で戦えるボウラーへ成長することを目的としている。

MTBCは声明の中で、ウレタンボールの禁止によって、ボウリングを「技術、一貫性、戦略的な準備」がより問われる競技として維持し、すべての選手が公平な条件で競える環境を作りたいとの姿勢を示した。

一方で、マレーシア国内のすべての大会でウレタンボールが全面禁止になるわけではない。今回の規則が適用されるのはMTBCおよび傘下の州協会が主催する大会で、それ以外の民間大会などでは主催者が独自に使用可否を決めることができる。ただしMTBCは、ウレタンを認める大会についてもIBFのボール規則を順守する必要があるとしている。

世界のボウリング界でウレタンボールを巡るルール変更や議論が続く中、マレーシアは競技の公平性だけでなく、「若手選手の技術向上を妨げる可能性」まで理由として明確に示した。今回の決定は、ウレタンボールを巡る議論に新たな視点を投げかけることになりそうだ。

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